代理人との契約も決まり、日本ハムがポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦を容認し、大谷翔平(23)のMLB移籍が本格的に動き出した。
大谷の移籍については当初、「6年100億円」クラスの大型契約での争奪戦と見られていたが、昨年12月にMLBで新労使協定が締結され、状況は大きく変わった。25歳未満の海外選手獲得に使える費用が厳しく制限されたのだ。
「新協定により大谷の年俸は6年1800万ドル(約20億円)程度になるとみられ、年俸にして3億円強。今季年俸(2億7000万円=推定、以下同)とほとんど変わらない水準に激減しました」(スポーツ紙デスク)
大谷は今季、故障で長期離脱し、投手として5試合登板(3勝2敗)、野手として65試合出場(打率.332、8本塁打、31打点)にとどまっている。
別掲表は『プロ野球なんでもランキング』の著書があるジャーナリスト・広尾晃氏の算出した、今季の高額年俸選手の“費用対効果”をランキング化したものだ。投手は1アウトあたり、打者は1塁打あたりのコストを計算している。大谷は投手としてはワースト7位(355万円/1アウト)、打者としても割高(247万円/1塁打)という結果だった。
ただ、メジャーの“評価基準”は少し違っている。
「MLBのスカウトは昨年、日本ハムを日本一に導いた時の大谷の大車輪の活躍を基準に評価している」(同前)というのだ。昨季の成績で同様の計算をすると、投手・大谷は1アウトあたり47万円、打者・大谷は1塁打あたり105万円となり、「二刀流」で2人分の活躍であることを踏まえると、日本でもトップクラスの“お買い得選手”になる。メジャー球団にとっては“超お買い得”なのである。大谷獲得には、10球団以上が名乗りをあげる見込みだ。
※週刊ポスト2017年11月24日号