国内

性被害明かした伊藤詩織さん「よくある話」で済ませてはだめ

いまなお、パニックや睡眠障害は収まらないと語る詩織さん

 元TBSテレビ報道局ワシントン支局長の山口敬之氏(51才)からレイプ被害を受けたことを明かし、10月18日に著書『Black Box』(文藝春秋)で初めてフルネームを明らかにしたジャーナリストの伊藤詩織さん(28才)。性被害に遭いながら、誰にも相談できずに泣き寝入りする女性は多い。

 2014年度内閣府調査によると、異性から無理矢理に性交された被害の相談先について、「どこ(だれ)にも相談しなかった」との回答は67.5%にものぼる(複数回答)。

 何より大切なことは、性犯罪で深く大きな傷を負った被害者に寄り添い、もう一度人生に希望を見いだせるまでサポートする社会をつくることだ。詩織さんが言う。

「あの晩以来、映画の中であっても山口氏に似た風貌の男性を見かけるとパニックを起こしてしまう。睡眠障害も一向に収まりません。それでも、私にできることはこの経験を伝えて同じ苦しみを体験する人を少しでも減らすこと」

 詩織さんのもとには、そんな被害者やその家族と友人から励ましと感謝の声が届いている。

「先日、カフェに行ったとき、1人の女性が歩み寄ってきました。彼女は、『私も同じ経験をしたけど何もできなくて、心のなかにしまっているうちに時効になってしまいました。詩織さんが声を上げたことを、私はすごく応援したい…』と涙ながらに話してくださいました。

 勇気を振り絞って話しかけてきてくれた彼女を見て、誰にも告げられない傷を自分のなかに閉じ込めてしまうことが性暴力の恐ろしさだと再認識しました。誰でもわかるような外傷、血が流れていればすぐに手当てはできますが、性暴力は見えない傷になってしまうことが多い。その傷に時効はなく、命を絶つ人もいます。早急に救済のシステムを充実させ、司法、捜査のあり方を見つめ直し、社会全体で改善していくことが必要です。これを『よくある話』で済ませてはいけません」(詩織さん)

※女性セブン2017年11月23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン