日本でも年々人気が高まっているロボット掃除機だが、ロボットだけで掃除を完結させている人は5%しかいないという。多くは、ロボット掃除機では取り切れなかったゴミやホコリを、手を動かして掃除しているのが実状だ。そんな状況を打ち破る、新商品の実力とは?
丸みのある三角形のフォルムが特徴的な『ルーロ』。パナソニックがロボット掃除機の開発を始めたのは、30年前。1986年に、八角形でサイドブラシを搭載した掃除ロボットの特許を取得して、1993年には羽田空港に業務向けを提供。しかし、家庭用の掃除機に求められる掃除性能は、当時の技術では実現できなかった。
技術環境が整い、2015年、満を持して投入されたのが初代『ルーロ』だ。だが、細かい障害物を検知できない、ランダム走行で取り残しや時間がかかるなど課題があった。それを解消することを使命に開発されたのが今回の3代目。椅子の脚回りなど、細かい部分のゴミの取り残しを解消し、本体だけで掃除が完結できることを目指し、大改良。新型には、新たに3つの機能が加えられた。
コンパクトサイズと三角形というフォルムを変えることなく新機能を追加するために、開発者の数を約10倍に増やし、同社のもつカメラ技術も取り入れたという。
新機能の1つ目は、3種類の障害物検知センサー。前方にある障害物を網羅的に捉とらえる“レーザーセンサー”と、ピンポイントで障害物との距離を測る“赤外線センサー”、黒いモノや透明なモノも検知できる“超音波センサー”の3つだ。レーザーセンサーは、約2cm幅のモノまで検知。テーブルや椅子の脚、壁ギワにギリギリまで近づいて、クルクルと首振り掃除で丁寧にホコリを取ってくれる。
2つ目は人工知能“RULO AI”。カメラセンサーで間取りを把握しながら掃除を開始し、自分の位置を把握して走行する。従来の『ルーロ』は、壁に沿って外周を掃除するラウンド走行後、部屋全体を自由に回遊するランダム走行だった。新型は、ラウンド走行のあとはルート走行。雑巾がけをするように効率よく掃除する。掃除時間も約50%短縮された。
さらに、ゴミが多かった場所やゴミの量などを、ゴミマップを作成して記録。掃除のたびにデータを蓄積していくこともでき、急な来客時などに、“お手軽モード”でゴミの溜まりやすい場所のみを掃除することが可能になった。また、掃除機を怖がるペットのケージを避けて掃除をする、指定したエリアを徹底的に掃除するといった、お掃除モードもある。
3つ目は、スマホアプリを使って外出先から遠隔操作ができるようになったこと。掃除結果をゴミマップで確認したり、1週間の掃除スケジュールを設定することも可能だ。
賢くなって、見えない場所にある見えないゴミまで取り残すことがなくなったロボット掃除機。その実力を試してみては?
※女性セブン2017年11月30日・12月7日号