小池百合子・東京都知事が代表を辞任した希望の党。関係者が注目しているのが橋下徹氏の存在だ。政策の類似性、地方政党を率いた立場としてのシンパシーなど、共通点がある小池氏を橋下氏が擁護することは不思議ではない。衆院選での希望と維新の連携も橋下氏の意向が強かったという。小池氏の再起の切り札は橋下氏ではないかと見られており、希望・維新は合併の流れが加速するという声もある。
橋下氏はツイッターで〈こんなことをやればやるほど希望は消滅に向かう。小池さんの看板がなければお前らのほとんどは落選してたんだよ!〉〈一度頼ったんなら小池さんが失敗しても支えるのが普通だろ〉と痛烈に希望の“反小池派”を批判した。
そして希望と維新の合併(統一会派)が起きるとなれば、永田町の論理の上では“特別な意味”を持つ。希望51人、維新11人。両党の衆院議員を足すと立憲民主党(54人)を抜いて野党第一党となり、「我こそは政権交代の受け皿」と標榜できる。
だが、数だけで「野党代表」を名乗れないのも永田町の論理だ。いくら両党が国政で“連立野党”を組んでも、肝心の総理候補がいない。小池氏に代わって代表となった玉木雄一郎氏を「政権交代後の総理」と考えて希望に票を投じた有権者は皆無だろう。
やはり焦点は「総理候補」たり得る人物がいるかどうかという点に行き着く。しかし、小池氏は国政への再転身を諦めていないとしても、「2020年の東京五輪までは身動きが取れなくなった」(国会議員時代からの小池氏側近)という見方が強い。