ライフ

妻に先立たれた大学教授「甘やかされていた」と気づく

妻に先立たれた男たちは何を思う(写真はイメージ)

「妻が先に死ぬなんてまったく考えていなかった。公正証書で遺言を作成するなど“自分が死んだ後”の準備はしていましたが、逆はまったく想定していませんでした」

 そう語るのは、『70歳、はじめての男独り暮らし』(幻冬舎刊)の著者で、山口大学医学部眼科学教室教授、同大理事・副学長を歴任した西田輝夫氏(70)だ。同著では、西田氏自身が2年前に妻にがんで先立たれた体験を綴っている。

「妻が元気だった頃は、どんなに遅く帰宅しても食事が用意されていて、私は掃除や洗濯どころか、自分の書斎の整理さえしたことがなかった。毎日の服装もすべて妻が用意してくれていたので、いなくなった後は学会の出張の準備さえも一苦労でした。それだけじゃない。ATMの使い方や、役所の手続きに必要なハンコの場所すらも分からない。妻が亡くなって、私はすごく甘やかされていたのだと気づきました」

 このように妻が“母”のような役割を担っているのは、団塊より上の世代では、決して珍しいケースではない。

 妻を失った男性にまず大きくのしかかってくるのが家事だ。男の独り暮らしとなれば、カップ麺やコンビニ弁当など、手のかからない簡素な食事で済ませてしまいがちだ。しかし、そこには落とし穴がある。

「これは身体に悪いからダメ、野菜を取らなきゃダメと口うるさい妻がいなくなったので、つい好きなものばかり食べていたら、またたくまに10キロ太ってしまって、血圧も急上昇して、正常値を大きく超えてしまった」(70歳男性)

関連キーワード

関連記事

トピックス

『激レアさんを連れてきた。』に出演するオードリー・若林正恭と弘中綾香アナウンサー
「絶対にネタ切れしない」「地上波に流せない人もいる」『激レアさんを連れてきた。』演出・舟橋政宏が明かす「番組を面白くする“唯一の心構え”」【連載・てれびのスキマ「テレビの冒険者たち」】
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平が帰宅直後にSNS投稿》真美子さんが「ゆったりニットの部屋着」に込めた“こだわり”と、義母のサポートを受ける“三世代子育て”の居心地
NEWSポストセブン
現場には規制線がはられ、物々しい雰囲気だった
《中野区・刃物切りつけ》「ウワーーーーー!!」「殺される、許して!」“ヒゲ面の上裸男”が女性に馬乗りで……近隣住民が目撃した“恐怖の一幕”
NEWSポストセブン
シンガポールの元人気俳優が性被害を与えたとして逮捕された(Instagram/画像はイメージです)
避妊具拒否、ビール持参で、体調不良の15歳少女を襲った…シンガポール元トップ俳優(35)に実刑判決、母親は「初めての相手は、本当に彼女を愛してくれる人であるべきだった」
NEWSポストセブン
「ミスタープロ野球」として広く国民に親しまれた長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
《“ミスター”長嶋茂雄さん逝去》次女・三奈が小走りで…看病で見せていた“父娘の絆”「楽しそうにしている父を見るのが私はすごくうれしくて」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ犯から殺人犯に》「生きてたら、こっちの主張もせんと」八田與一容疑者の祖父が明かしていた”事件当日の様子”「コロナ後遺症でうまく動けず…」
NEWSポストセブン
「グラディアトル法律事務所」の代表弁護士・若林翔氏
【改正風営法、施行へ】ホストクラブ、キャバクラなどナイトビジネス経営者に衝撃 新宿に拠点を持つ「歌舞伎町弁護士」が「風俗営業」のポイントを解説
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
「本人にとって大事な時期だから…」中居正広氏の実兄が明かした“愛する弟との現在のやりとり”《フジテレビ問題で反撃》
NEWSポストセブン
長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督からのメッセージ(時事通信フォト)
《長嶋茂雄さんが89歳で逝去》20年に及んだ壮絶リハビリ生活、亡き妻との出会いの場で聖火ランナーを務め「最高の人生」に
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
「兄として、あれが本当にあったことだとは思えない」中居正広氏の“捨て身の反撃”に実兄が抱く「想い」と、“雲隠れ状態”の中居氏を繋ぐ「家族の絆」
NEWSポストセブン
今年3月、日本支社を設立していたカニエ・ウェスト(時事通信フォト)
《カニエ・ウェストが日本支社を設立していた》妻の“ほぼ丸出し”スペイン観光に地元住人が恐怖…来日時に“ギリギリ”を攻める可能性
NEWSポストセブン
現在、闘病中の西川史子(写真は2009年)
《「ありがとう」を最後に途絶えたLINE》脳出血でリハビリ中の西川史子、クリニックの同僚が明かした当時の様子「以前のような感じでは…」前を向く静かな暮らし
NEWSポストセブン