中国雲南省の著名な観光地、麗江の2軒のホテルが過大な虚偽宣伝を行ったほか、ホームページから宿泊客の批判的な書き込みを消去したなどとして、地方政府から「ホテルとして最悪」との評価を受けていたことが明らかになった。
また、このうちの一つのホテルでは、客が「蚊がうるさくて寝ることができない。駆除してくれ」と文句を言うと、「当ホテルでは蚊はペットとして飼っています。駆除するには蚊1匹につき100元(約1700円)かかります」などと言って拒否していたという。
麗江は雲南省の中でも、とりわけ大自然に囲まれ風光明媚で、少数民族が住み伝統文化が豊かで、市内に3カ所もの世界遺産を持つ地域。このため、観光資源が市の財源を潤しており、ホテルなど宿泊施設が多いことも大きな特徴だ。
とくにホテルは市の財政のドル箱だけに、地方政府が地元ホテルを「悪質」として名指しで公開するのは極めて珍しい。
このため、中国中央テレビの記者が隠密で宿泊し取材したところ、ホームページでは客室が豪華ルームと謳っていたものの実際はビジネスホテルと同じくらいの広さだったり、整備されているはずの高速Wi-Fiがまったく使えなかったりと虚偽が見られたという。
また、ホテルの廊下や公共スペースが洗濯物の物干し場になっていたりするなど、設備面での不備もあった。さらに、ホテル側が指定したお土産店で買い物をしたり、レストランで食事をすれば、部屋代の50%を払い戻すという違法な行為も行われていた。
また、この記者が泊まった部屋には蚊が多数出てうるさくて眠ることができなかったため、たまりかねて、午前3時ごろ、ホテルのフロントに電話したところ「蚊はホテルがペットとして飼っている」などとすぐにウソと分かるような話をして、記者の依頼を拒否したという。