競馬新聞には必ず出走馬に関する厩舎サイドのコメントが載っている。そこには馬券に繋がるヒントがどれだけ盛り込まれているのだろうか。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、競馬新聞の厩舎コメントについて考察する。
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以前にも「厩舎力」というテーマで、チームワークの大切さを書いたことがあります。今回は厩舎の情報力。情報力には収集と発信があり、ファンの皆さんが触れるのは圧倒的に「発信」のほうでしょう。
レース前のテレビ出演や、新聞などに載る厩舎からのコメントです。日常的なのはコメント欄のほう。ファンに必ず読まれる「厩舎からの発信」です。
角居厩舎では2名の調教助手にスポークスマンをやらせています。出走する馬の情報はすべて彼らから発信される。スポークスマンを設けている厩舎は半分くらいでしょうか。あるコメントは調教師、あるときは調教助手、という厩舎も多いようです。
角居厩舎の場合、さすがにテレビには私が出ますが、新聞のコメント欄に登場することはありません。記者はそのことを分かっているから、調教のあとで私のところには寄ってこない。「(調教助手の)辻野さんが、こう言っていますけど」などという確認の取材も受けない。マスコミに対して近寄りがたい雰囲気を装っている。相当に無愛想に思われているはずです(笑)。