中国内陸部の青海省のラーメン店で店の窓にカーテン代わりに、中国国旗「五星紅旗」がかけられていたことから、「国旗を粗末に扱ってはならない」などと定めた中国国旗法に違反するとして、店主が15日間身柄を拘束されていたことが明らかになった。
このニュースが香港に伝わると、香港でも今年9月、「国旗を侮辱した」として、香港立法会(議会に相当=定員70人)議員が罰則を受けたばかりだったことから、「いよいよ中国政府による本格的な香港弾圧が始めるのでは?」などとの不安が広がっている。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が報じた。
青海省での国旗侮辱事件の発端はラーメン店の前を通りがかった省政府職員が店頭に五星紅旗がかかっていることを見つけ、担当部局に連絡したことにある。通報を受けて、早速、警察署員がラーメン店に急行し、店長を逮捕した。
この国旗は青海省で昨年夏に行われた自転車レースの国際大会の際、店長らが中国チームの応援のために使用したもの。大会後、たまたまカーテンがなかったので、手近にあった国旗をカーテン代わりに使用していたという。
中国国旗法は中華人民共和国建国直前の1949年9月28日に施行され、1990年10月1日に修正された改正法が施行されている。この改正では、中国国旗を燃やした場合は国旗侮辱罪で懲役3年などという条項が追加されている。
それが、なぜ、いま香港で注目を浴びているのかというと、香港立法会の議場で今年4月、中国に批判的な政党「熱血公民」の鄭松泰議員が卓上式の中国国旗などをひっくり返したとして、国旗侮辱罪などに問われ、香港の裁判所が9月末、鄭氏に対して罰金5000香港ドル(約7万円)の有罪判決を言い渡したからだ。裁判官は「国旗の尊厳を傷つけたのは明らかだ」と判決理由を説明している。