「怒り」を表に出せば、人の恨みや反感を招き、最終的には自分の身を滅ぼしかねない。だが、こんな教えは理解しつつも人は「怒る生き物」であり、時に取り返しのつかない行動を取ってしまう。
「自分の『怒り癖』を自覚し、『アンガーマネジメント』すれば、今よりも生きやすくなるはず」と話すのは、日本アンガーマネジメント協会の安藤俊介代表理事だ。「アンガーマネジメント」とは、その名の通り、怒りの感情を自ら管理すること。
安藤代表理事によれば、どんなタイプの人にも効果的なアンガーマネジメントのトレーニング方法があるという。その中から日常的に行える4つのメソッドを紹介。
◆深呼吸しながら6秒カウント
怒りの感情のピークは6秒程度。その6秒をカウントしながらやり過ごすことができれば、反射的な怒りを避けられる。
よりおすすめなのは深呼吸。まず大きく息を吐ききること。それから鼻から大きく4秒吸って、いったん呼吸を止め、口からゆっくり6秒吐ききる。自分の抱えている怒りが呼吸と一緒にスーッと出ていくのをイメージすると効果は絶大。
◆自分の「べき」を書いてみる
怒りを感じるのは、自分が信じる「するべき」「すべきでない」の「べき」が目の前で裏切られてしまう時。最近イラッとした出来事と、その背景にある「べき」を書き出してみよう。自分が怒る理由がすっきりと説明でき、行き所のないイライラが軽減される。
◆グーパー体操を行う
6秒カウントしても怒りがおさまらない場合は、五感を刺激すると、リフレッシュ効果が高まる。
両手を広げたり、閉じたりして、交互にグーパーを繰り返すだけでも、手に意識が集中し、怒りの原因を「数秒前に起きた過去の出来事」として認識できるので、怒りがクールダウンする。
1~2分程度でも、効果は充分。
◆怒りのボギャブラリーを増やす
普段から怒りに関するボキャブラリーを増やしておくと、より正確に自分の怒りの感情が理解でき、言葉で表現できなくて手を出してしまう…という事態を避けられる。「くやしい」「ショック」「イライラ」など、自分の本当の気持ちを常に的確にとらえよう。
なお、これらのトレーニングの目安は“21日間”。習慣化され、ある日突然、あんなに許せなくてしかたなかったものが気にならなくなるはずだ。
※女性セブン2017年11月30日・12月7日号