思わず手が伸びてしまった!?(写真:アフロ)
新たなサービスが生まれたところで新たな事件が起こるのがいかにも中国である。現地の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏が指摘する。
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スマホ決済が中国人の生活の中に急速に浸透したことで、日々さまざまなサービスが生み出され続けている中国。シェア・バイクなどシェアリングエコノミーが、その代表として日本のメディアでも頻繁に紹介されるようになっているが、ランチのケータリングもまた、その便利な変化を象徴するサービスである。
好きなランチを選んでオフィスに届けててもらうのは当たり前で、時には公共の場所や公園のベンチを指定して届けてもらうこともあるという。その日々進化を続けるケータリングビジネスは、現状はまだ黎明期であり、そうした時代にはさまざまな問題が起きるのもまた中国である。
というわけで「ついに」というか「やはり」というべきか、起きるべくして起きたのがケータリングの配送者によるランチのつまみ食いである。
伝えているのは『皖江晩報』(10月27日)である。
記事には、配送者がエレベータの中でつまみ食いする瞬間をとらえた防犯カメラの画像が数枚そえられている。まあ、気持ちの良い話ではないが、ここまでは何とか想像の範囲ではある。
だが、驚くのは次の瞬間だ。口に合わなかったのか、一旦口に入れたものを吐き出して、更に戻したのである。防犯カメラの映像にはその行為のすべてがばっちり映っていたというのだ。もちろん、ケータリングの世界でこうした問題が広がっているわけではないが、いかにもありそうな話だ。
それにしても「監視社会」としてあまりの監視カメラの多さが問題になる中国だが、こうした不正が暴かれるとなれば、彼らも許容できるのだろうか。