地方自治体が作った「すごろく」が、全国で評判になっている。実はこのすごろく、遊びながら認知症についてイチから学べる優れものなのだ。
茨城県水戸市が今年4月に発表したのは、サイコロを回してコマを進めながら認知症の症状を疑似体験していく「認知症456(すごろく)」というゲーム。遊びながら予防法や認識を高めることができ、進行度に応じてどんな介護サービスを受けられるかもわかる。
すでに同市では体験者が700人を超え、他の自治体から「すごろくを使わせてほしい」との問い合わせが相次いでいるという。
◆「脳トレ」にもなる
しかし、なぜすごろくだったのか。
「昨年10月に、認知症の理解を深めてもらうための冊子『認知症123(いちにさん)』を作成したのですが、より楽しく認知症を学べるツールができないかと考え、『すごろく』に。ネーミングは前回冊子の続編であり、語呂も良いので456(すごろく)としました。認知症の方を支えるには周囲の正しい理解が必要なので、認知症予備群の方だけでなく、ご家族や地域の方たちと一緒に遊んで理解を深めていただきたい」(水戸市高齢福祉課地域支援センター担当者)
すごろくは〈変化の起き始め〉〈見守りが必要〉〈日常生活に手助けが必要〉〈常に介護が必要〉などと認知症の進行度ごとに4つのエリアに分かれ、スタートからサイコロを振ってコマを進める。
最初の〈変化の起き始め〉エリアでは、「友達との約束を忘れちゃった」「あれ、メガネどこだろう?」といった初期症状が記載されている。