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がん治療せず「逃病」を選んだ人はどんな最期を迎えるか

治療を拒否するという選択をした人は?

 体に不調を覚えると、医師の診断を受けて病名と治療方針が示されたのち、病気が治るまで投薬や手術を受け続ける──これが一般的な「闘病」のプロセスだ。しかし、必ずしも正面から向き合うことばかりが病気との闘い方ではない。自分の人生を最後まで自分らしく生きるために、治療を拒否する「逃病」という選択をする人がいる。

 75歳のとき、肺に2cmほどのがんが見つかった玉木雄一さん(82)は、医師から「治療しなければ余命2年」と告げられて抗がん剤治療を開始したが、副作用に苦しめられて2か月で治療を中止、「逃病」生活を始めた。

「治療を受けませんでしたが、がんが見つかってから2年経っても日常生活に支障は出ませんでした。

 今年でがんになってから7年。宣告された余命よりだいぶ長生きしています。たまに胸水がたまって苦しくなるときがありますが、時間がたてば自然になくなるので、苦しい間だけ鎮痛剤を投与してもらっています」

 玉木さんのように、「逃病」を選んだ結果、余命宣告より長生きすることはめずらしくない。日本在宅ホスピス協会会長で『なんとめでたいご臨終』(小学館刊)の著者、小笠原文雄医師が指摘する。

「私の経験では、在宅ホスピス緩和ケアを受けた末期がん患者のうち、約3割が余命宣告より長生きしています。闘病のストレスから解放され、不安や痛みを取り除くことができることが、余命を延ばすことに繋がっているのではないでしょうか」

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