投資情報会社・フィスコ(担当・田代明美氏)が、株式市場の11月27日~12月1日の動きを振り返りつつ、12月4日~12月8日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇。週末には11月9日以来となる22900円を回復する場面をみせた。24日の米株高のほか、「ブラックフライデー」における売上好調が伝わる中、日経平均は3ケタの上昇で始まった。しかし、海外勢の動きに変化がみられているなか、その後は狭いレンジでの取引が続いた。
円相場が一時1ドル110円台を付けたほか、韓国サムスン株の急落や米国ではアップル、アマゾンなどFANG株急落、国内では東エレク<8035>など世界の半導体関連が一斉に利益確定の売りに向かう中、先行き不透明感を強めた。しかし、米税制改革法案の年内可決への期待感が高まるなかで米長期金利が上昇、これが金融セクターへの物色に向かわせており、日経平均の下支えとなった。北朝鮮のミサイル発射による神経質な場面もあったが、NYダウが連日で最高値を更新するなど、地政学リスクに対しても打たれ強くなっていた。
米税制改革法案の年内可決へ向けた動きとしては、11月30日の可決は見送ったが、共和党指導部は12月1日の採決を目指すことを決めた。財政赤字の拡大などに与党・共和党内からも懸念が出ており、法案の詰めの作業が続いており、可決となれば相場の押し上げ要因になりそうだ。一方で、ハイテク株については、明確な反転を見極める必要があろう。今週は米雇用統計も控えており、流れとしては金融セクター等に資金が向かいやすいだろう。