これまで「ペット介護」をテーマに、犬や猫の高齢化による問題点や介護関連サービスなどを紹介してきた。ペットが元気なうちにできることや、寝たきり・認知症を予防するためのアイテムについて紹介する。
ペットの介護を、飼い主だけでやるには限界がある。ペット介護関連サービスが充実しつつあるので、活用しない手はない。
とはいえ、世話がどうしてもできなくなってから急きょサービスを探すよりは、ペットがまだ比較的元気なうちに、介護施設に見学に行ったり、実際に預け、施設の環境に慣れさせておくのが理想的だ。
「慣れていないことをさせられるのはペットにとって大きなストレスになります。飼い主と離れ、住み慣れた家とは別の場所で過ごすという体験を、元気なうちから少しでもさせておくことがおすすめです」とは、老犬の介護施設を運営するドッグライフプランナーズ代表の岸良磨さんだ。
1時間程度の見学だけでもよいので、老犬・老猫ホームをペットと一緒に訪れてみるのもよいだろう。ペットが環境に慣れるだけでなく、施設の様子やスタッフの対応などの情報も得られ、一石二鳥だ。ペットが寝たきりや認知症になる前に、自宅でできる予防策もあるという。
「人間と同じで、ペットも使わない筋力は衰えていきます。補助があれば、歩けるうちは筋力を維持するためにも散歩は続けましょう。ペットにとって散歩や飼い主との遊びは、脳に刺激を与えるため、認知症予防にもつながります」(白金高輪動物病院総院長・佐藤貴紀さん)
足腰が弱り、自分だけで歩くのが難しい場合には、歩行補助用のハーネスや車いすでサポートしてあげるのもおすすめだ。ペットたちは、最期まで “自力”で動きたいと思っている。車いすをつけてあげたことで、寝たきりだったペットが再び元気を取り戻すケースも多いという。
外出先で粗相をしてしまうのが心配なら、ペット用おむつなども多数出ている。
「ペットを最期まで看取ることは飼い主のもっとも大切な責務です。十数年にわたり、癒しと幸せを与えてくれた、家族の一員であるペットには、感謝の気持ちを込めて、最後まで愛情を注いであげてください。それが命を扱う、ということだと思います」(佐藤さん)
※女性セブン2017年12月14日号