日本全体が喪に服した昭和最後の日から約30年。2019年4月30日──“平成最後の日”に向けたカウントダウンが始まった。近代日本では例のない天皇の「生前退位」、そして新天皇の即位という歴史的行事が重なるその日、その瞬間、どんなことが起こるのか──。
1989年は突然の「陛下危篤」にテレビ各局の現場は騒然とした。だが、今回は着々と準備を進めている。
「テレビ局は2019年4月30日夜から日を跨ぐ特番を放送するため、生放送に出演するコメンテーターやご学友をリストアップしています。やはり断トツに強いのは、陛下の生前退位など皇室スクープをリードするNHKです」(民放プロデューサー)
そうしたなかで違った意味で注目されるのがテレビ東京だ。
「昭和天皇危篤の第一報が流れた1989年1月7日早朝、他局が臨時ニュースを流す中、テレ東は通常通り『テレビ将棋対局』を放送していました。崩御直後の特番ラッシュでもテレ東は『生物学者天皇』という独特な特番をつくって昭和天皇の『ショウジョウエビのご発見』などについて報じていた。今上天皇はハゼ研究者なので、今回の特番ではテレ東ならではの“ハゼいじり”があるかもしれません」(全国紙文化部記者)
報道各社のみならず、永田町・霞が関も急ピッチで準備を進めている。実は2019年はすでに国際イベントなどが目白押しだ。
「大きなものだけでも、春に横浜で第7回アフリカ開発会議があり、4月の統一地方選後の夏前には日本初開催となるG20サミット、それに7月の参院選が続き、9~11月にはラグビーのワールドカップが開催されて10月には消費増税が控える。超過密日程に改元と即位の礼まで重なるのだから、海外VIPの訪日を調整する外務省は段取りに頭を抱えている」(外務省関係者)
ちなみに安倍首相は例年、GWは外遊に出るのが恒例だが、首相をはじめ閣僚はGW中の外遊を断念せざるを得ない。参院選の改選組は地元に帰ることもままならず、票固めに影響が出ることも考えられる。
※週刊ポスト2017年12月15日号