現在放送中の第5シーズンもほとんどの回で20%以上の高視聴率をマークし、今クールの連ドラでトップを独走中の『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系・毎週木曜夜9時、12月まで放送予定)。同作品の生みの親である内山聖子ゼネラルプロデューサーは「ドラマはフィクションですが、ファンタジーには絶対にしない」とこだわりを見せる。
そこで作品内のリアリティーがどのように追求されていくのか、『ドクターX』医療監修を務める医師・ジャーナリストの森田豊さんに話を聞いた。
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私の仕事は、ドラマのリアリティーを“適度に”保つことです。ドラマなので完全にリアルである必要はありませんが、絶対にありえないことが起こってはいけない。現実的にありうる病例や治療法、術式などについて論文や台本を徹底的に検討します。
制作スタッフのかたがたが何百件もの医学論文を調査していて、私はそれらを読み解きつつ、ドラマに上手に反映されていくように監修するのです。もちろんドラマティックな展開は必要ですが、視聴者のかたに過度な期待をさせてもいけません。
最も重視するのは、実際にいる患者さんを傷つけない配慮。言葉の語尾ひとつにも気を配ります。患者さんへのせりふや術式に関しては、どこまでリアリティーを追求するかという線引きは難しく、悩んで眠れないこともありますよ。
※女性セブン2017年12月21日号