女性ファッション誌『JJ』の専属モデルとして活躍する滝沢カレン(25才)。最近、それ以上に目立つのがバラエティー番組でのぶっ飛び発言の数々だ。例えば、得意料理を聞かれた際には、「絶対にハンバーグ! 他の料理も“遠回り”作れます」とヘンテコ回答。他にもロン毛の人を見て、「鬼になってる」と発言。どうやら「お似合い」と言いたかったようだ…。
日本語がカタコトなのは、ハーフであるがゆえに長い海外暮らしの影響と思われがちだが、彼女の場合はちょっと違う。滝沢の両親は彼女が生まれる前に離婚。日本で母親に女手ひとつで育てられた。つまり生まれも育ちも日本なのに、「日本語が苦手」なのだ。
独特な言葉遣いに加えて、このキャラがウケてバラエティーに引っ張りだこに。彼女のヤバい日本語はこれだけではない。次は滝沢のインスタに綴られた文章である。
《秋の礼儀正しさをまじまじと感じさせ、夏の振り向きに見向きもしない枯葉たちがワサワサと踊りに励む中、私はタンスから新品の上着をと、顔には出さないとも体内では嬉し返る感情たちにご褒美をあげられました。こんな事を言っているのが昨日のように感じてしまわぬよう、みなさん1日をなんだと思って過ごされる予定ですか!?》
んむむっ。難解すぎる。
だが、滝沢が織り成す風変わりな言葉に、日本語の権威たちが、続々と熱視線を送っているというのだ。今年2月、『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)に出演したときのことである。滝沢の「反抗期真っ逆さま」「棒状の棒」という発言に、教育学者で『声に出して読みたい日本語』(草思社)を著書に持つ、明治大学教授の齋藤孝氏が「滝沢さんの日本語は天才的。あんな日本語のセレクトをする人が日本にいたんだって。詩的ですよね」と大絶賛。
また今年4月からレギュラー出演しているNHK高校講座『ベーシック国語』(Eテレ)では、日本を代表する国民的詩人の谷川俊太郎氏までが、滝沢の『生きる宝 動く宝』という詩を聞き、「感性に共通性がある」と返詩を書くほど、心を動かされた。
同番組で滝沢と共演する、言語学者で杏林大学教授の金田一秀穂氏は、彼女の言葉が魅力的であることについて、こう分析する。
「カレンちゃんはとーーっても自分の心に素直な人ですよね。素直に感じたことや思ったことを、そのまま口に出している。だから言葉にも嘘偽りがないんです。ハチャメチャに聞こえるかもしれないけど、嘘じゃないことがよくわかる。でも、それはなかなかできることじゃない。普通の人なら遠慮とか世間体とかが気になって、あんなふうには話せない。潔さや生活感があるから、ぼくらは聞いていても嫌な感じがしない。むしろ気持ちがいいのでしょう」
※女性セブン2017年12月21日号