お酒を飲む機会も多い年末年始。悪酔いを防ぐための大事なポイントはアルコールを体内に急激に吸収させないことだという。東海大学医学部の西崎泰弘教授は、飲み会がスタートしてから食べるべきものを指南する。
「食物繊維や水分と一緒にお酒を摂取すると、食物繊維がスポンジのような役目を果たし、体内へのアルコール吸収のスピードを緩やかにしてくれます」
食物繊維を多く含むものは、きんぴら、切り干し大根といった昔ながらの味だ。
「私がおすすめするのは、わかめ、めかぶといった海藻です。お酒を飲んでいる間は、アルコールによってミネラルやビタミンが失われやすいので、それらを豊富に含み食物繊維もたっぷりの海藻をとるように心がけましょう」(西崎教授)
◆チェイサーはトマトジュースで
日本酒では和らぎ水、洋酒にはチェイサーをかたわらにしてお酒を楽しむ人は多い。
「お酒を飲むときの必須アイテムが水です。アルコール濃度を下げるためにも、脱水を防ぐ意味でも、水分補給をしながらお酒を飲むことが理想的です」(西崎教授)
さらに、チェイサー代わりとして有効なのは、意外にもトマトジュースだという。アサヒビールとカゴメの共同研究によると、トマトの水溶成分には、酔いのスピードを緩やかにしたり、酔い覚めを早めるなど、アルコール代謝をスムーズにする働きがあるというのだ。
「アルコールを摂取すると、老化現象を引き起こす活性酸素が発生します。トマトに含有されるリコピンには抗酸化力があり、活性酸素による細胞への影響を抑えることが期待されます」(加藤教授)
◆酔いがまわってきたら、にら玉、豚肉
そうはいっても、楽しい忘年会。気づいたら酔っぱらっていることも。そんなときの対処法を秋津病院の秋津壽男院長がアドバイスする。
「酔いを感じたら、たんぱく質やビタミンなど、アルコールの分解に必要とされる成分を補給するべき。具体的には、枝豆やにら玉、豚肉などです。豆類は肝機能を向上させるたんぱく質が含まれ、豚肉やにらにはアルコール代謝に必要なビタミンB1が豊富。二日酔い防止に有効です」
大きな声でよくしゃべり、盛り上がる忘年会。実はこれ、悪酔いしないための秘策なのだとか。
「笑ったりしゃべったりしながら飲むと、呼気と同時に、体のエタノールも自然に飛ばされます。大勢でワイワイ飲むより、ひとり静かなお酒の方が酔いがまわりやすい、と感じる人が多いのはそのためです」(西崎教授)
※女性セブン2017年12月21日号