中国四川省成都市で、周某なる男が会社の同僚の女性の昼食や飲み物に男性ホルモンを含んだ薬剤を混入し、半年以上も飲ませていたことが分かった。被害女性は最近、体毛が濃くなったり、月経が止まったほか、気分が悪くなったため、医師の診察を受けたところ肝臓の機能障害が認められたという。
女性は他の同僚の証言から、周が女性の食べ物などに薬物を入れていたことに気付き、警察に被害届を出し、周は逮捕され、裁判で懲役1年の実刑判決を受けたという。成都の地元紙「成都経済日報」が報じた。
女性が知らずに飲まされていた薬剤は合成ステロイド剤「メチルテストステロン」で、男性の性機能不全やアンドロゲン不全疾患の治療用、あるいは女性の乳癌の治療薬として用いられる。
周はかかりつけの医師から、性機能不全を訴えて、この薬を処方してもらっていたという。
周がなぜ、被害女性にこの薬を飲ませようとしていたのかは不明だが、裁判では、周は精神的な疾患を抱えており、「冗談のつもりで、薬を女性の昼食や飲み物に混入した」と証言している。
しかし、被害女性によると、女性は周から言い寄られて、しつこく関係を迫られていたが、女性は拒否。このため、被害女性は「周が復讐のために、薬を盛っていたに違いない」と訴えているという。
今回のケースのように、女性が男性ホルモンを大量に摂取することについて、専門家は「前代未聞の珍しい事件だ。男性ホルモンを女性に飲ませたらどうなるか? ドーピング問題を例に出すと、女性選手の体内ホルモンが変わり、男性みたいに胸に筋肉がつくなど、筋骨隆々となってしまうとのケースがあった。その選手は長い間副作用に悩まされた。今回のケースは、まさに、これを同じだ」などとコメントしている。
これを受けて、ネット上では「この男は、懲役1年という実刑判決の重みを思い知らなければならない。冗談で済ませられる話ではないのだ」との書き込みがみられる。