今、もっとも注目を集める10代女優といえば、その筆頭は広瀬すず(19才)だろう。20才となる来年以降もますます飛躍が期待されるが、その魅力はいったいどこにあるのか、今一度考えてみたい。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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先日、2019年4月スタートの朝ドラ『夏空-なつぞら-』(NHK)主演に広瀬すずさんが決定しました。20歳という女優として区切りの年に、記念すべき朝ドラ100作目のヒロインを務めることから、「広瀬すずは“持っている”」という声が挙がっています。さらに、朝ドラが成功したあかつきには、国民的女優として翌年の東京オリンピックを迎え、選手たちにエールを送る姿が見られるでしょう。
もちろん広瀬さんの実力によるところも大きいのですが、ここまでの足取りを見ても、「持っている」と思わせる強運が何度もありました。
姉・広瀬アリスさんのイベントを見に行ったときに所属事務所の社長からスカウトされ、2012年には断り切れずに受けた『ミスセブンティーン』でグランプリを獲得。すぐにCM、ドラマ、映画への出演が決まったほか、2015年には『学校のカイダン』(日本テレビ系)で早くも連ドラ主演を飾りました。
ドラマ終了直後に、映画『海街diary』でカンヌ国際映画祭デビュー。同作で是枝裕和監督から「台本を渡さない」という独自の演出を経験し、数か月後にも映画『怒り』で李相日監督から厳しい演技指導を受けるなど、立て続けに名匠たちとの出会いに恵まれました。
2016年には映画『ちはやふる』で単独初主演を飾り、今年は『上半期TV-CMタレント会社数ランキング』1位に輝くなど順風満帆。来年1月期には名作『Mother』『Woman』などを手がけた強力スタッフの新ドラマ『anone』(すべて日本テレビ系)で主演を務めることが決定しています。
正式発表こそされていませんでしたが、業界内では「当初、『学校のカイダン』と『ちはやふる』の主演は能年玲奈が筆頭候補だった」という定説があるなど、これまで何度となく広瀬さんの強運ぶりがささやかれてきたのです。
◆キス、絶叫、ベリーショートの大胆さ