投資情報会社・フィスコ(担当・田代明美氏)が、株式市場の12月4日~12月8日の動きを振り返りつつ、12月11日~12月15日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均はこう着。週初は米税制改革法案の行方を見極めたいとする模様眺めムードのほか、米韓合同演習による北朝鮮の反発への警戒も手控え要因となった。また、週半ばには、トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの「首都」と認めるとともに、大使館をエルサレムに移転する準備を指示することを明らかにしたことから中東の地政学リスクが高まり、日経平均は支持線として意識されていた25日線を割り込んだ。これにより調整ムードが強まる格好となったが、25日線を割り込んだ翌日には反発をみせ、週末のSQ通過後は一段高でもち合いレンジの上限を捉えた。
今週は米雇用統計の結果を受けた市場反応からスタートとなるが、予想を下回ったとしても12月12日-13日に連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げが確実視されている。来年は2回ないし3回の利上げ実施が予想されるなか、当初想定より利上げペースが緩やかになるとの見方もあり、株式市場には好感されそうだ。雇用統計の結果が嫌気される局面においては、押し目買いスタンスといったところであろう。SQ通過で参加者は限られそうだが、個人主体による年末高を意識した物色が活発化しそうである。
また、日経平均は25日線を突破し、直近のもち合いレンジを上放れつつある。レンジ突破への期待が高まる中、直近でピークをつけた11月9日高値23382.15円への意識が高まろう。物色としてはハイテク株のリバウンド継続を引き続き見極めつつ、シクリカル銘柄への資金シフトが続くとみておきたい。また、個人主導になりやすく、高値圏に位置する銘柄への一段高を狙った売買のほか、2018年のテーマとなりうる銘柄への物色が活発化する可能性がありそうだ。