投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が12月11日~12月15日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は底堅い展開か。8日発表される11月の米雇用統計が想定外に悪化しない限り、米連邦準備制度理事会(FRB)は12-13日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.25ポイントの追加利上げに踏み切る公算が大きい。利上げ決定後に利益確定を狙ったドル売りが一時的に増える可能性があるが、声明文の内容などを見極める展開となりそうだ。
現時点で市場参加者の多くは2018年に3回の利上げが行なわれることを想定している。FOMC会合後の声明やイエレン議長の記者会見の内容を点検して、今後の金利正常化の方針が慎重なら利上げペース鈍化の思惑が広がり、ドル売りが強まろう。一方、トランプ政権がエルサレム帰属問題でイスラエル寄りに踏み込んだ見解を示し、波紋を広げている。中東情勢の不安定化で安全資産の米国債は買われ、利回りの低下に伴うドル売りに振れる展開にも警戒したい。
ただ、トランプ政策の柱である税制改革については、上下両院で修正案の一本化が協議され、クリスマスまでの法案成立が見込まれている。調整は難航するとみられているものの、年内の法案可決・成立を期待したドル買いが大きく後退する可能性は低いとみられる。
【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(12-13日開催予定)
FRBは13日(日本時間14日4時)に声明を発表し、その後イエレン議長が記者会見する。政策金利は1.25%から1.50%に引き上げられる公算。ただ、来年の引き締めペースは3回が市場コンセンサスだが、不透明感が広がればドル買いは続かないだろう。
【米・11月消費者物価指数(CPI)】(13日発表予定)
13日発表の11月消費者物価指数(CPI)は、想定を下回らなければFRBの来年以降の引き締め方針に思惑が広がろう。10月は前年比+2.0%、コア指数は同+1.8%とFRBの目標をほぼクリアしており、金利正常化の方針への期待は維持される見通し。
・12月11日-15日に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。