エンゼルス入団が決まった大谷翔平(23)のメジャー移籍は、交渉段階から異例ずくめだった。各球団に提出を求めた「プレゼン文書」で“一次審査”を行ない、通過したのはわずか7球団。特にメジャー30球団でも別格の資金力と伝統を持つヤンキースやレッドソックスがこの段階で落選したことは、アメリカ中を驚かせた。スポーツ紙のメジャー担当記者がいう。
「大谷の最優先事項は“二刀流を本気で実現できるチーム”。残った球団はいずれも打者・大谷の起用プランを具体的に提示していた。もうひとつは、“東海岸の名門チーム”が除外されていた。ヤンキース、レッドソックス、メッツなどの名門は1年目から結果を求められ、投手専念を迫られる恐れがある。とはいえ、最有力候補と見られたヤンキースと交渉のテーブルにすらつかないとは驚きです」
メジャー最高の人気球団であるヤンキースが、これほどまでにこっぴどく“フラれた”経験はない。そのため早くもニューヨークを中心に大谷バッシングが起こっているのだ。
4日付NYデイリーニュースの1面の見出しは「WHAT A CHICKEN!」(なんて臆病者なんだ)。大谷は大都市の名門チームの重圧から逃げ出した、という論調だ。メジャー研究家の福島良一氏がいう。
「今回の交渉で大谷は入団するエンゼルス以外のすべてを敵に回したといっていい。特にヤンキースにとっては、ルーキーに袖にされたことなどほとんどない経験。もしヤンキースタジアムのマウンドに立つことがあればかつてない大ブーイングが起きる。ヤンキースと同じア・リーグの球団ということもあり、対戦のたびに針のムシロになりかねない」