ビジネス

大前研一氏 日本人は「もう○歳だから」は禁句にすべき

大前氏が年齢に縛られない働き方について語る

 新しいことにチャレンジする前に自分の行動を抑制してしまう「メンタルブロック」は厄介なものだが、この考え方を捨て去れば転職、副業、起業といった第二の仕事にも挑戦できる。経営コンサルタントの大前研一氏が、メンタルブロックがない成功例について紹介し、年齢に縛られない働き方について解説する。

 * * *
 そもそも日本人は年齢についてもメンタルブロックがあり、中高年になると新しい仕事にチャレンジしない傾向が極めて強い。しかし、「もう○歳だから」は禁句にすべきだと思う。このメンタルブロックを外せば、第二、第三の仕事に挑戦できるはずだからである。

 その好例が、私が学長を務めているBBT(ビジネス・ブレークスルー)大学・大学院の教授の1人で、今年傘寿(80歳)を迎えた廣瀬光雄さんだ。

 廣瀬さんは大日本印刷アメリカ法人の社長、ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人代表取締役社長を務めて定年退職したが、日本のゴルフ場が次々につぶれていく惨状を見て一念発起し、学生時代からの友人であるジャック・ニクラウスの「ゴルフ場は束ねれば束ねるほど経営が効率的になって儲かる」というアドバイスを基に事業計画を作り、「PGM(パシフィック・ゴルフ・マネージメント)」を創業した。そして倒産したゴルフ場を次々に買収し、いきなり東証一部上場を果たしたのである。

 廣瀬さんは引退後、PGMのほかに医療情報ポータルサイトを運営する「ケアネット」、企業コンサルティング会社「マベリックジャパン」の2社を設立し、ケアネットも東証マザーズに上場している。廣瀬さんは日本における“シニア起業の神様”と言えるだろう。

 廣瀬さんのようになるためには常に新しいことを学び続け、新しい出会いからネットワークを広げていかねばならないが、そもそも日本は社会人になってから高等教育機関で学び直す人が非常に少ない。文部科学省の調査によれば、大学入学者に占める25歳以上の割合は、わずか1.9%である。OECD(経済協力開発機構)加盟国の平均が18.1%だから、日本の低さは際立っている。

関連記事

トピックス

10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン