年忘れの会で忘れられない失態をおかしてしまうこと、あるあるである。若いうちは失敗も肥やしだが、年を重ねてくるとそうはいかない。コラムニストの石原壮一郎氏がアドバイスする。
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忘年会シーズン真っ只中。おっさんがもっとも輝く季節であると同時に、おっさんがもっとも失敗しがちな季節でもあります。一年のいろんなことを忘れたい忘年会において、おっさんが忘れてはいけない心得とは何か。古今東西の賢人たちの名言から、5つの「忘年会に役立つガツンとくる言葉」をピックアップしてみましょう。
社内の忘年会で悩ましいのは、若者と話が合わないこと。ビートたけしこと北野武は、こう言っています。
「世代が違うと話が合わないなんて言うのは間違い。話が合わないんじゃなくて、話を引き出せない自分がバカなのだ」
たしかにそのとおりです。会話が続かなくて気まずい雰囲気になったら、いきなり「申し訳ない! 俺がバカだから話を引き出せないんだ!」と謝ってみましょう。相手は何事かと驚き、マズイと思って「そ、そんなことありません。そういえばこのあいだ……」と話題をひねり出してくれるはず。少なくとも謙虚な一面は見せつけることができます。
もしかしたら、忘年会に行く直前に思いついたんじゃないかと思えるのが、アップルコンピュータの共同設立者であるスティーブ・ジョブズが言った有名なこの言葉。
「ハングリーであれ、愚かであれ」
ちゃんとお腹を空かせていかないと、せっかくの料理が残ってしまいます。そして、どうせお酒を飲むなら、気取っていないで愚かな自分をさらけ出したいところ。ちょっと時間があるから蕎麦でも……とサンプルが並ぶウィンドウをのぞき込みたくなったら、この言葉を自分に言い聞かせましょう。ジョブズは「ウィンドウ(ズ)に惑わされてはいけない」ということも言いたかったのかもしれません。
酒の席には、いろんなアクシデントもつきもの。部下や後輩が暴言を吐いてくることもあれば、普段からウマが合わない同僚にからまれることもあります。腹は立ちますが、ケンカしたところで何もいいことはありません。「非暴力主義」を貫いたマハトマ・ガンジーは、こう言いました。
「弱い者ほど相手を許すことができない。許すということは強さの証だ」
この言葉を支えに、全力で寛大な態度を貫きましょう。微笑みながら「おっと、言ってくれるじゃないか」「こいつは一本取られたな」「そのくらいで勘弁してくれよ」といったセリフを言う練習をしておくのも一興。ここぞという場面で繰り出して、強さを示しましょう。ただし、周囲が「おお、強い」と思ってくれるかどうかは別ですが。