コンビニの片隅にある成人雑誌──。「ミニストップ」がその取り扱いを中止することが話題となるなかで、「ジジイからエロ雑誌を奪わないでください」と声を上げたのは俳優・武田鉄矢(68)だった。
本誌(週刊ポスト2017年12月15日号)で展開された武田の主張には、「よくぞ言ってくれた」と多くの共感の声が寄せられた。
「まだ“エロの惰性”があって、70を手前にしてもスケベがおさまらないんです」と明かす武田が、改めてこう主張する。
「最近では性に対する糾弾がやたら大きいけれど、性というものは雑味の多い感性で、雑味は一種の旨みでもあります。
いま世間は不倫に大騒ぎをしますが、不倫がバレた人を笑える男なんて、本当はひとりもいませんよ。みんな一方的に偉そうに糾弾しますが、もともと人間というのは雑味があるもので、それでいいと思うのです。
『痴漢が出るから植え込みを刈って人が隠れる場所をなくしましょう』とか『テロの恐れがあるのでゴミ箱を撤去します』という、何かをなくすという理論は、うまくいかないような気がします。
その手の、何かを排除することによって何かを守ろうとする理論では、世の中を本当に良くはしないような気がするのです。コンビニのエロ本に対しても女性をはじめ不快感を抱く方がいるのはわかりますが、それを排除することで世の中が清潔になる、という考えはあまり好きではないなぁ、と思うのです」
ネットで買えばいい、という声に対して自らコンビニで成人雑誌を買うことがあるという武田氏は「あのみじめさが、味わいなんです」と語る。
「甘いものを否定する論理は正義かもしれないけれど、人間が疲れた時に甘いものが欲しくなるのと同じように、消えてゆこうとするもの、隠されているものを見つめたくなる時はあるじゃないですか」
※週刊ポスト2018年1月1・5日号