国際情報

2018年は米朝和平の動きが本格化か 転機は米大統領中間選挙

米朝関係の行方は日本の安全保障にも大きく関わる(時事通信フォト)

「我々は決して北朝鮮の核保有を受け入れない。北朝鮮に責任を負わせる」──12月15日、国連安全保障理事会の閣僚級会合で米ティラーソン国務長官は北朝鮮の慈成男・国連大使に激しく詰め寄り、互いに非難の応酬が繰り広げられた。

 北朝鮮が核実験を強行した2017年9月以降、米朝の緊張感は日に日に高まっている。米国主導の経済制裁で締め上げられた北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長は、いつ“暴発”してもおかしくない状況で、日本にとっても気が気でない状態となっている。

 その一方で米朝は水面下で秘密交渉を続けながら和平の糸口を探っているという情報もある。トランプ政権高官とのパイプを持つ国際政治評論家の板垣英憲氏が語る。

「2017年5月にノルウェーで米朝の高官が集まった秘密会合が開かれ、これまで計8回の会合が行なわれたと聞いています。現在も水面下で話し合いは続けられており、2018年中に米朝和平に向けた動きが、今までにないほど本格化する可能性が出てきています」

 その転機となり得るのが、2018年11月に行なわれる米中間選挙だという。

「今のところ、トランプの支持率が低迷していることもあり、野党・民主党の優勢が伝えられています。大統領再選を狙うトランプにとって、この中間選挙での勝利は絶対に譲れません。

 形勢逆転のため、これまで誰も成し遂げられなかった米朝和平の実現に向け“アクション”を起こす可能性は高い。具体的には、7月4日の米国独立記念日前後に訪朝、米朝トップ会談──との情報が浮上しています。実現すれば世界中が驚くビッグイベントになるでしょう」(板垣氏)

 世界が注目する“独裁者”の2人が手を取り合うのか、さらなる敵対へと突き進むのか。トランプ氏の“決断”が大きく状況を分ける。

※週刊ポスト2018年1月1・5日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

三笠宮妃百合子さま(時事通信フォト)
百合子さま逝去で“三笠宮家当主”をめぐる議論再燃か 喪主を務める彬子さまと母・信子さまと間には深い溝
女性セブン
氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
「SUNTORYドリンクスマイルBAR」
《忘年会シーズンにこそ適正飲酒を》サントリーの新たな取り組み 自分に合った “飲み“の楽しさの発見につながる「ドリンク スマイル」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン