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東京新聞望月記者「政権の矛盾のしわ寄せを受けるのは官僚」

男女記者間の落差を指摘する東京新聞望月記者

 東京地検特捜部は2017年12月上旬、スパコン開発会社「ペジーコンピューティング」創業社長の齊藤元章容疑者(49才)を逮捕した。2013年度に国の助成金4億3000万円を騙し取った詐欺容疑。齊藤容疑者は関連会社で総額100億円超の公的資金を受けていたと報じられた。このペジー事件の問題点について、東京新聞の望月衣塑子記者(42才)が読み解く。

 * * *
 官僚たちがペジー事件に関心を寄せる理由も、まさに「政治の関与があるのか」というところです。今、官僚の間には、安倍官邸への鬱屈がマグマのように沸々と溜まっているように思います。

 森友学園問題では、国有地が超格安で籠池夫妻側に払い下げられた経緯が、録音テープの公開などで徐々に明らかになっています。誰がどう見ても異例で異常なことなのに、安倍官邸としては「問題ナシ」の一点張り。その矛盾のしわ寄せを受けるのは、実は優秀な官僚たちなんです。

 官僚にとってこの時期は本来、予算作りなど国民生活にとって大切な仕事が山積しています。しかし、今は官邸の指示で放ったらかし。閣僚らが国会で「問題ナシ」と話すための答弁書作りを昼夜やらされているそうです。しかも、どう考えてもかなり苦しい言い訳を考えなければいけない。

 森友、加計問題では、政治家が責任を取らない代わりに、現場の官僚たちが異動させられたり、閑職に追いやられたり、詰め腹を切らされているそうです。まるでトカゲの尻尾切りです。

 加計問題を告発した前川喜平前文科次官は官邸との対決の矢面に立ちましたが、その他大勢の匿名の官僚たちが、「自分たちは安倍政権のためじゃなく、国民のために仕事をしているのに」と不満を溜め込んでいるんです。

 安倍政権は近年まれに見る長期政権なので、出世のために「安倍官邸のご意向に忠誠を誓う」というごく一部の官僚もいて、彼らは霞が関で絶大な権力を振るっています。そうした「官邸派官僚」の存在も、それ以外の大多数の官僚の不満を生んでいます。

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