北朝鮮の金正恩労働党委員長の異母兄・金正男氏(享年45)がマレーシアで殺害されたのは2017年2月のこと。“骨肉の争い”が囁かれたが、次のターゲットは、正男氏の息子である金漢率(キム・ハンソル)氏(22)だと言われている。
漢率氏は3月7日、動画投稿サイトに「父が数日前に殺された。状況が好転することを望む」というメッセージを残して以来、消息が途絶えていた。
そんな彼の存在に再び注目が集まったのは、10月30日。北朝鮮の工作員7人が漢率氏を殺害する目的で中国に入国したとして、中国で拘束されていたことが報じられたからだ。
「金正恩氏の暴走を止め、北朝鮮の手綱を握りたい中国にとって、“最終兵器”となる可能性を秘めているのが、金一族の血を引く漢率氏なのです。現在は中国政府の保護下に置かれていると見られています。欧州の大学に留学し、洗練されたファッションの漢率氏に対する正恩氏の個人的な劣等感も、暗殺を企図し続ける理由のひとつだと分析されています」(大手韓国紙記者)
漢率氏はかつて「金正日総書記の孫になることを私は選んでいない。私が望むのは、勉強して自分の人生を生きること」とメディアの取材に答えたことがあるが、本人の思惑とは裏腹に、北朝鮮問題のキーマンとして、存在感を増している。
※週刊ポスト2018年1月1・5日号