絶対にあってはならないものとされる体罰だが、その一方では「愛の鉄拳」には意味があるとの声も少なくない。しかし、体罰には意味があるという論に待ったをかけるのが、「佐藤ママ」こと佐藤亮子さんだ。
息子3人と娘1人の子供4人全員を国内最高峰の東大理科III類(医学部)に合格させ、「受験に恋愛は不要」との名言で知られる佐藤ママが言う。
「感情的になって子供を叩くことは、絶対にあってはならない。怒りにまかせて手を上げた行為を“愛の鉄拳”と呼ぶのは、大人たちが自分を正当化しているだけです」
佐藤ママには苦い思い出がある。長女が小学6年生のとき、何度も注意したのにもかかわらず、算数でいい加減な答え方をした。めったに怒らない佐藤ママもこの時はカチンときて、ノートを手にして長女の頭をバシバシと叩いた。
「叩いているうちに怒りがこみ上げてきて、手が止まらなくなった。たまらず娘がよけたのを見てさらに頭に血が上って『なんでよけるの』と10回以上叩きました」
近くにいた3人の兄に「ママ、もうやめてやれ」と声をかけられ、佐藤ママはハッとわれに返った。
「叩き始めたら怒りがこみ上げて、自分の感情をコントロールできなくなるのだと反省しました。虐待も同じなのでしょうね。漢字をきれいに書かなかった次男のことも1度だけノートで叩いたことがありますが、翌日の漢字テストで“こんな字ではまたママに叱られる”と緊張して手が震えて点数が悪かった。子供に体罰をしたのはその2回だけですが、子供を傷つけ、萎縮させるだけで、決してよい結果をもたらさないことを思い知らされました」
※女性セブン2018年1月4・11日号