薬選びには、専門家の意見が参考になる。生活習慣病治療の権威、新潟大学名誉教授・岡田正彦医師(内科、71)は、降圧剤を「使用されてきた歴史の長さ」で選んだ。
「『血圧を下げる』のはもちろん、長年処方されるなかで『健康寿命も延ばす』ということが証明されているサイアザイド系利尿薬が良いでしょう。私自身は高血圧ではありませんが、患者にはこれを処方するし、自分も高血圧になったときは服用したいと思っています。
現在、最も多く処方されているもののひとつがARBですが、こちらは新しい薬なので長期の服用によりどういったことが起こるのかがわかっていない。『健康寿命を延ばす』というエビデンスが確認できてから処方したい」
浜松医科大学名誉教授で内科医の高田明和医師(82)は岡田医師とは別の観点で降圧剤を選んだ。
「カルシウム拮抗剤のアムロジピン、ACE阻害薬のカプトプリルは副作用が少ないといわれている。これら以外の薬だと、むくみや頭痛、空咳や血管浮腫などのリスクが高まるので、処方には注意しています」
※週刊ポスト2018年1月1・5日号