ライフ

得する年金 働けるだけ働き80代まで不安なくしたい人の場合

80代まで安心して暮らしたいなら?(イラスト/河南好美)

 年金は何歳から受け取るべきか──内閣府の検討会などで、受給開始を「75歳」まで選べる制度の導入が提言されている。「少しずつでも『長く』受け取る」か「期間は短くても『たくさん』受け取る」か。これは「どちらが正しいのか?」という二者択一の単純な判断ではない。「年金博士」こと社会保険労務士・北村庄吾氏はこういう。

「定年退職後の人生において、『お金』はもちろん重要ですが、心身の健康、そしてどんなことに時間を費やしたいか、といった要素も大切になってきます。

 体が比較的よく動く60代のうちにしかできない目標があるのか、70代まで長く続けられる趣味を持っているのか。そうしたことも踏まえて初めて、60歳以降の『どの時期』にお金が必要かというシミュレーションが可能になってくる」

 つまり、「繰り上げ」「繰り下げ」の判断は、夫婦の趣味、定年後の楽しみや生きがいをどこに見出すかによっても変わってくるのだ。

 それでは、働ける限り働いて80歳まで安心して暮らしたい人の場合はどうか。60代を目一杯エンジョイしたい夫婦もいれば、80代以降の亡くなる直前まで誰にも迷惑を掛けない生き方をしたい夫婦もいるだろう。

 たしかに80代以降にまとまった資金が必要になるケースも十分に想定される。

 たとえば、要介護状態で施設への入居が必要となる場合だ。介護付き有料老人ホームであれば、約300万円の入居一時金に加え、月額利用料や介護サービス費、おむつ代などで毎月25万円程度かかるケースが一般的だ。定年後の家計から捻出するのは、基本的には困難である。

関連記事

トピックス

インタビュー中にアクシデントが発生した大谷翔平(写真/Getty Images)
《大谷翔平の上半身裸動画騒動》ロッカールームでのインタビューに映り込みリポーター大慌て 徹底して「服を脱がない」ブランディングへの強いこだわり 
女性セブン
映画『八日目の蝉』(2011)にて、新人俳優賞を受賞した渡邉このみさん
《ランドセルに画びょうが…》天才子役と呼ばれた渡邊このみ(18)が苦悩した“現実”と“非現実”の境界線 「サンタさんを信じている年齢なのに」
NEWSポストセブン
アーティスト活動を本格的にスタートした萌名さん
「二度とやらないと思っていた」河北彩伽が語った“引退の真相”と復帰後に見つけた“本当に成し遂げたい夢”
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、小泉家について綴ります
《華麗なる小泉家》弟・進次郎氏はコメ劇場でワイドショーの主役、兄・孝太郎はテレビに出ずっぱり やっぱり「数字を持っている」プラチナファミリー
女性セブン
調子が上向く渋野日向子(時事通信フォト)
《渋野日向子が全米女子7位の快挙》悔し涙に見えた“完全復活への兆し” シブコは「メジャーだけ強い」のではなく「メジャーを獲ることに集中している」
週刊ポスト
1966年はビートルズの初来日、ウルトラマンの放送開始などが話題を呼んだ(時事通信フォト)
《2026年に“令和の丙午”来たる》「義母から『これだから“丙午生まれの女”は』と…」迷信に翻弄された“昭和の丙午生まれ”女性のリアルな60年
NEWSポストセブン
6月2日、新たに殺人と殺人未遂容疑がかけられた八田與一容疑者(28)
《別府ひき逃げ》重要指名手配犯・八田與一容疑者の親族が“沈黙の10秒間”の後に語ったこと…死亡した大学生の親は「私たちの戦いは終わりません」とコメント
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問される佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
《ブラジルへ公式訪問》佳子さま、ギリシャ訪問でもお召しになったコーラルピンクのスーツで出発 “お気に入り”はすっきり見せるフェミニンな一着
NEWSポストセブン
渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト
 6月3日に亡くなった「ミスタープロ野球」こと長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
【追悼・長嶋茂雄さん】交際40日で婚約の“超スピード婚”も「ミスターらしい」 多くの国民が支持した「日本人が憧れる家族像」としての長嶋家 
女性セブン
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さん出産》“一卵性母子”と呼ばれた小室圭さんの母・佳代さんが「初孫を抱く日」 知人は「ふたりは一定の距離を保って接している」
NEWSポストセブン
PTSDについて大学で講義も行っている渡邊渚さん(本人提供)
渡邊渚さんが憤る“性暴力”問題「加害者は呼吸をするように嘘をつき、都合のいい解釈を繰り広げる」 性暴力と恋愛の区別すらできない加害者や擁護者への失望【独占手記】
週刊ポスト