災いや大病に見舞われるとされる年齢“厄年”。古典『源氏物語』にも描かれるほど古くから信じられてきたが、一体どこまで信ぴょう性があるのか。
厄年のルーツは、平安時代の陰陽道に由来するなど諸説あるが、詳しいことはわかっていない。しかし、東京・麻布十番にある『まなみウィメンズクリニック』の院長・今井愛さんは、「設定された年には意味がある」と言う。
「女性の場合、厄年は10代最後と、30代いっぱいに該当します。この時期はいずれも、就職や入学、結婚、出産、子育て、離婚などの“事件”が起こりやすく、環境が急激に変わる時。忙しさで体調をおろそかにしがちなので、婦人科系のトラブルをはじめとする病気になりやすいんです」(今井さん、「」内以下同)
男性も同様で、多忙でストレスの多い40代、男性更年期になる60代で大病を患うケースが多いと言う。
「厄年は、男女それぞれの人生の節目に設定され、それが昔も今も変わらないということは、古来、体調を壊しやすい“体の周期”に当たる年だと考えられます」
厄年は、災いが起こる年、というよりは、人生の転換期や体調を崩しやすいなど、大きな変化のありそうな時。必ずしも“不幸”があるわけではないのである。
※女性セブン2018年1月4・11日号