絶品の料理を生み出すミシュランシェフ。そんな彼らが毎日食べている「まかない」とは一体どんなものなのだろうか。飲食店で働く者にとって「まかない」は最大の楽しみであり、働くための活力である。だからこそ、料理人たちは一切の妥協を許さない。今回は、ミシュラン2つ星『旬彩天 つちや』のお店の「メニュー」には決して載ることのない“門外不出”のレシピを教えてもらった。
◆おいしいまかないがお客様のためになる
「まかないに予算や時間の制限はなし」と語るのは、大阪の天ぷら懐石『旬彩天 つちや』の店主・土阪幸彦さん。このポリシーは自身の経験から生まれた。「修業した店のまかないの材料は鶏肉とにんじん、じゃがいも、たまねぎの4種類だけという決まりがあり、正直、作るのも食べるのも楽しくなかったんです」
だからこそ、自分の店では妥協しない。「おいしい料理を食べて、豊かな気持ちになることでお客さんに満足してもらえる料理ができると考えるからです。意欲を持って取り組むので、アイデアを生む場にもなっていますね」。
海鮮の濃厚なあんがおこげにたっぷり絡むまかないレシピをご紹介。
◆海鮮とおこげのかにあんかけ
材料(5人分)
サゴシ(小型のサワラ)…10切れ パプリカ…1個 たけのこ…1個 しいたけ…3個 長ねぎ…1本 青梗菜…10枚 いかの身・きくらげ・香箱かにの殻(鶏の皮・魚のアラでも代用可)・(あれば)かにの身・おこげ・濃口しょうゆ・しょうが・水溶き片栗粉・片栗粉・サラダ油・揚げ油…各適量
【A】だし…800cc みりん…50cc 濃口しょうゆ…20cc 薄口しょうゆ…50cc オイスター ソース…15cc
作り方
【1】いか、パプリカ、たけのこ、しいたけ、きくらげ、長ねぎをひと口大より少し小さめに切る。
【2】鍋に【A】を入れて熱し、火であぶった香箱かにの殻を入れてだしをとる。
【3】サゴシは濃口しょうゆで下味をつける。
【4】別の鍋にサラダ油を熱し、刻んだしょうがを炒めて【2】を加え、水溶き片栗粉でとろみをつける。
【5】160~170℃に熱した揚げ油で、【1】を素揚げする。
【6】【5】を【4】に入れて混ぜ、さらにかにの身を入れて混ぜる。
【7】【5】の揚げ油で青梗菜とおこげを素揚げする。
【8】【3】に片栗粉をつけて揚げる。
【9】器に【7】と【8】を盛り、上から【6】をかける。
◆旬彩天 つちや
大阪府吹田市豊津町41-4
月18:00~22:30、火~金11:30~15:30/18:00~22:30、土17:30~22:30
定休日・日
※女性セブン2018年1月4・11日号