2017年12月、京都の清水寺で発表された「今年の漢字」は「北」だった。北朝鮮は度重なる大陸間弾道ミサイルの発射に、6度目の核実験も強行。米トランプ大統領が「われわれはあらゆる選択肢を持っている」と軍事行動をちらつかせるなど、米朝関係にかつてないほど緊張が高まった一年だった。朝鮮半島情勢に詳しい、『デイリーNKジャパン』の高英起編集長が語る。
「武力による解決は決して認められませんが、対北朝鮮の経済制裁が意味をなしていないことは事実です。今度こそは効くだろう、と10年にわたって制裁を続けていますが、その間にあの国はミサイル開発を加速させています。対処療法にしかなっていません」
挑発をやめない北朝鮮と、武力行使の可能性を示唆するアメリカ。2018年の両国はどこに向かうのか。コリアレポート編集長の辺真一氏が語る。
「早ければ1月8日の金正恩の誕生日にミサイル発射か7度目の核実験を行う可能性があります。北朝鮮は度重なる挑発行動で核保有をアメリカに認めさせようとしていますが、トランプがそこまで大幅譲歩することは考えづらい。これまでの交渉はすべて平行線で終わっています。
両者が一歩も引かない状況になっており、残された手段はやはり軍事行動しかない。平昌五輪が終わる3月下旬~4月上旬頃に、アメリカ側が先制攻撃する形で軍事衝突が勃発すると見ています。実際、トランプ政権は昨年4月にシリアの軍事基地を爆撃していますからね」
必然的に北朝鮮も応戦することになるが、「米軍が本気を出せば北朝鮮は1日と持たずに崩壊する」といわれるほど両者の軍事力には大きな差がある。
「われわれからすると玉砕覚悟の戦いに見えますが、北朝鮮はおそらく本気で負けるとは思っていない。60年もの間、アメリカとどう闘うかという戦略をずっと練り続けていますから。それゆえ降参せずに、国がなくなる最後まで戦ってしまう可能性がある」(辺氏)
米朝開戦となると、日本も無関係ではいられない。
「日本の米軍基地も攻撃対象になるでしょうし、北朝鮮からは難民が押し寄せてくるかもしれない。米朝戦争の煽りを最も受けるのは、隣国である韓国と日本です。ある程度の損害は覚悟しなくてはならないでしょう」(辺氏)
朝鮮半島が“アジアの火薬庫”となる日が、刻一刻と近づいている。
※女性セブン2018年1月18・25日号