底冷えした大晦日とはうって変わって暖かな陽光が差した元日の昼過ぎ。東京・江東区にある貴乃花部屋の前に1台の車が止まった。車中から降りてきたのは、紙袋を持った高校生と中学生の貴乃花親方(45才)の娘2人。連日、部屋の前にはメディアが張り付いているが、その前を緊張した面持ちで部屋の中に入っていく。
それを見届けたあと、白のタートルニットにベージュのコートをまとった花田景子さん(53才)が車から降りた。本誌・女性セブン記者が「貴乃花親方と貴ノ岩関のご様子は?」と尋ねると、軽く会釈して申し訳なさそうに部屋のドアを開いた。
それからおよそ1時間後。次はサングラスをかけた長男・優一さん(22才)が部屋前に姿を見せた。報道陣に向かって「あけましておめでとうございます」とお辞儀をして部屋に入った。
その間も、力士の出入りがあったり、後援者からの贈り物が届いたり、貴乃花部屋の元日は人の出入りが多かった。
それでも姿を見せなかったのは、部屋の主の貴乃花親方だ。昨年12月28日に行われた日本相撲協会の臨時理事会で、史上初となる理事解任を決議されて以来、年が明けても公の場から“雲隠れ”状態。元横綱・日馬富士(33才)による貴ノ岩暴行事件で昨秋から心労が続く貴乃花親方は、元日にどこにいたのだろうか。
「年が明けるとすぐ初場所が始まり、親方と力士がゆっくり“正月休み”を取れるのは初場所の千秋楽が終わってから。もちろん年末年始も構わずに稽古を続けますが、元日だけは休みにして、朝のうちに部屋で簡単な新年の挨拶をすることが多い」(スポーツ紙相撲担当記者)
貴乃花親方の自宅は東京・五反田にあり、基本的に稽古の際は江東区の部屋まで通う。だが、今回の暴行騒動で部屋での泊まり込みが続き、大晦日の夜も、稽古が休みの元日の朝も、貴乃花親方は自宅ではなく部屋にこもっていたようだ。
「本来ならば家族のいる自宅で年始の挨拶をして、部屋に出向けばよかったのでしょうが、部屋の前には報道陣が張りついています。親方が自宅に帰れば、報道陣もぞろそろと自宅に引き連れてきてしまう。そうすると家族や近所に迷惑がかかるので、年末から部屋で寝泊まりして外出を避けていたのでしょう」(貴乃花部屋後援会関係者)
おかみさんである景子さんはまだしも、優一さんや妹らは普段は部屋に顔を出すことはない。家族は、相撲協会内で孤軍奮闘する父親を気遣って、家族そろって新年の挨拶をするために、わざわざ部屋を訪れたようだ。
「九州場所の暴行騒動以降、貴乃花親方はもっぱら孤立していると報じられています。被害者側なのに理事も解任されてしまいました。部屋前に記者が多く詰めかける中で、おかみさんも優一さんも堂々と部屋を訪れたのは、“父親を支える家族の結束は固い”という世間への“元日アピール”だったのかもしれません」(前出・後援会関係者)
※女性セブン2018年1月18・25日号