国際情報

習近平が鋭意浄化中の中国 それでも起きる男と女の事件簿

仰天事件は尽きない

 中国大陸が抱え込む膨大なエネルギーはやはり当局の浄化作戦で消え失せるものではないようだ。現地の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 習近平指導部の下、規律違反に対する厳しい締め付けが続いている中国。「生活腐敗」と称される不正常な異性との関係も随分厳格に取り締まられてきた。

 これは非共産党員も例外ではなく、もはや世界最大の歓楽街とまで自称し始めた広東省の都市・東莞は、“掃黄”(「黄」はポルノの意味=性産業の一斉摘発)によって徹底的に破壊されてしまった。いま、かつての巨大な売春城は、老人ホームや温室栽培の施設に転用されている。

 だが、それで中国大陸から売春が完全に消え、西側先進国並みに浄化されてしまったのか、といえば決してそうではない。その中国社会のしたたかさを示すニュースは、いまだにメディアの紙面をにぎわしている。

 その一つが『看看新聞』(2017年10月29日)の伝えた〈処女に『一万元(約17万3000円)』の値を付けた売春婦を客が疑問持ち告発 警察に通報して二人とも御用〉である。

 事件が起きたのは浙江省の省都・杭州市。同市の彭埠派出所に二人の男女がお互いを「嘘つき」と罵り合いながら駆け込んできたのが事件の発端だった。男は40過ぎ、女は20歳だという。

 警察は二人の話をきいて仰天する。というのも二人はネットで知り合い、売春で合意したものの最終的に支払いで揉めて警察に駆け込んできたというのだ。二人の言い分の違いは、「女性が処女であったか否か」──。

 ただ不思議だったのは、派出所に駆け込んできた時点で二人はまだ性交渉をしていなかった点だ。というのも男が5000元(約8万6500円)を先払いして女性がシャワーに向かったところで男の奥さんから突然電話がかかってきて話がややこしくなったというのだ。何ともお粗末な事件であった。

 次は、『柳州晩報』が2017年11月11日に報じた記事である。タイトルは、〈ネットで買春したら、現れたのは自分の妻 値段は1時間100元(約1730円)〉だった。

 これはタイトルを見ればすべてが理解できる話だ。男の妻は、出稼ぎ労働に出ている傍らで売春をしていたというオチだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン