国際情報

中国サッカー 八百長に汚染されていることが低迷の原因説も

中国マネーで世界の有名選手を集めているが…

 中国は既に多くの世界レベルのアスリートを輩出しているが、一方で人気があるにもかかわらず成績が伴っていかない競技もある。現地の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 北京オリンピックで50を上回る金メダルを獲得して世界を驚かせた中国だが、そのスポーツ大国──といっても従来はメダル製造マシーンで、アマチュアスポーツが盛んであるとは言い難かったのだが──にあって、七不思議とされているのかサッカー男子とバレーボール男子が、国際大会においてパッとしないことだ。

 どちらも中国では人気スポーツであり、スポーツで国威発揚しようとする中国であれば大金を投じて強化することなど朝飯前のようにも思えるのだが。それがなかなか強くならないのだ。

「なかでも深刻なのが男子サッカーのナショナルチームの低迷です」

 と語るのは、北京の夕刊紙の記者だ。

「中国人はとにかくサッカー好きで有名で、中国にいながらイタリアやスペイン、イギリスのプレミアまで熱狂して観ています。ですからサッカーの得意な子供は、もう2000年前後から親がサッカー留学をさせていたほどです。だから当然、英才教育を受けた選手がたくさん育っているはずなのですが、なぜかチームとしては低迷から抜け出せない。

 これは七不思議といわれながら、誰もがその原因を知っているのです。その一つが、少し人気が出るとすぐに皆がちやほやするため選手が育たないこと。そしてもう一つの問題が、サッカー界全体が八百長に汚染されてしまっていることです」

 その最たる例として話題となったニュースがある。河南省濮陽市で開催された高校サッカーの「市長杯」での出来事だ。

 出場9校のうちの一つの試合──油田三高と油田一高の試合──で、なんと30対0という結果が出たのである。

 もちろん、実力差があまりに開いていればそういう結果も不思議ではない。しかし、負けた油田三高のこの日の成績は、それまで五勝二敗と、むしろ大きく勝ち越していたのである。この試合を知った関係者は、汚染はこんなところにまで広がっているのか、と最終的にはメディアが問題にする事態になったということだ。

関連キーワード

トピックス

憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を訪問された愛子さま(2025年5月8日、撮影/JMPA)
《初の万博ご視察》愛子さま、親しみやすさとフォーマルをミックスしたホワイトコーデ
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン