今年1月からスタートし、各金融機関が精力的にPRを展開しているのが、「つみたてNISA」だ。他にも資産形成のための商品として注目を集める「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や「NISA(少額投資非課税制度)」がある。少額から始められてリスク分散もしやすく、老後資産を形成する上で有力な選択肢となる「投資信託」を運用するなら、どの制度を使うのが有利なのか。
まず、iDeCoは加入者が60歳になるまで、毎月一定額を自ら選んだ金融商品に拠出する。
「掛け金の全額が所得控除の対象となり、運用益も非課税です。老後に受け取る年金は退職所得控除と公的年金等控除の対象となり、無税となるケースも多い」(ファイナンシャルプランナーの森田悦子氏)
たとえば課税所得500万円の人が毎月2万3000円を積み立てた場合、所得税と住民税が年間8万2800円軽減される。10年間で82万円もの節税だ。
「所得控除のメリットは大きく、iDeCoは資産運用の“最強ツール”とされます。ただ弱点は、60歳までしか積み立てられないことです」(森田氏)
一方のNISAは所得控除こそないが、専用口座で投資信託などに投資すると、売却益や配当などが毎年120万円まで5年間非課税になる。また、つみたてNISAなら、年間40万円までの投資が20年間非課税だ。
「NISAはまとまった資金があり、個別銘柄に投資したい人向き。毎月の収入から長期間コツコツ投資したければ、つみたてNISAがお勧めです」(森田氏)
森田氏が推奨するのは「ハイブリッド投資」だ。
「iDeCoを上限枠まで使い切り、余裕があればNISAを併用。60歳でiDeCoの拠出が終わった際、資金に余裕があれば、つみたてNISAで続けて運用したい」(森田氏)
※週刊ポスト2018年1月12・19日号