戦後70年以上、政治家たちは「国防」を正面から議論してこなかった。左翼陣営は議論すら許さなかった。そのツケが回ってきたようだ。国難を前に日本は無防備だ。ジャーナリストの櫻井よしこ氏と米カリフォルニア州弁護士のケント・ギルバート氏、国を憂う二人が、日本人の覚醒を期待して国防について論じた。
櫻井:日本には「平和」を唱えていれば平和がもたらされるとか、憲法9条が国を守ってくれると考えている人たちがいて、憲法改正や国防論議が進まない現実があります。しかし、そんな幻想も2018年には崩壊するのではないでしょうか。
北朝鮮の危機がかつてなく高まり、中国の習近平国家主席はすべてを中華民族の影響下に置くという目標を掲げて膨張を続けています。そうした中で米国は内向きになっている。まさに国難というべき国際情勢下で、日本も目覚めざるを得なくなると思います。
ケント:9条があるから日本の平和が守られているというのは大嘘で、根拠も因果関係も何もない。むしろ憲法によって危険に晒されていると思ったほうがいい。
櫻井:どの国の軍隊も憲法も平和を求めているのですから、戦争憲法などというものは存在しません。日本国憲法だけが平和憲法だ、日本だけが平和国家だというのはあまりにも傲慢です。
ケント:日本で言われる「平和主義」は不戦主義です。戦うこと自体を否定していますから、これでは攻撃されても何も抵抗できない。平和主義とは違います。ここまで国防について考えない国は、世界で日本だけです。現実を見ようとしない「お花畑の住民」もいいところです。だから近隣諸国は日本をナメきっている。