スポーツ

相撲協会理事選が近づくとベテラン力士引退が相次ぐ事情

注目の理事選はもうまもなく(共同通信社)

 初場所が開かれる両国国技館では、力士たちの土俵上の取組よりも、親方衆による「暗闘」が激しさを増している。場所後にはついに、貴乃花親方と八角理事長(元横綱・北勝海)の全面衝突に決着をつける「理事選」が控えているからだ。カチ上げあり、張り手あり、猫だましあり、そして反則技もあり。謀略にまみれた「1票」の奪い合いがヤマ場を迎えた。10の日本相撲協会の理事枠を巡る両陣営の票の奪い合いは、“禁じ手”まがいの策謀が入り乱れる最終局面に入っている──。

 理事選は年寄株を持つ親方衆の投票によるものだが、貴乃花親方の理事解任が決議された12月28日の臨時理事会で、投票権を持つ親方が「100人」から「101人」へと増やされていた。

「藤島部屋(出羽海一門)の元前頭・翔天狼が、引退して『春日山』を襲名することが発表されたのです。相撲協会の年寄株の数は『105』あり、一代年寄(※現役時代の功績が著しいと理事会で認められた横綱が引退した際、その横綱一代に限って認める年寄名跡)の貴乃花親方を含めて親方衆は最大で106人になるのですが、なかには誰も襲名していない“空き株”がある。『春日山』はその一つだったわけですが、それを元翔天狼が襲名。こうやって理事選の『1票』を作り出すことができるのです」(協会関係者)

 2年に一度の理事選が近づくと、空き株を襲名するためにベテラン力士の引退が相次ぐのが、角界の“慣習”なのだ。

「前回の理事選(2016年2月)の時は、初場所後に阿武松部屋(貴乃花一門)の元前頭・大道が引退して『小野川』を襲名。『小野川』は前年に亡くなった北の湖前理事長(出羽海一門)の遺族が所有していましたが、貴乃花親方の側近である阿武松親方の弟子が継承。この『1票』は、出羽海一門でありながら貴乃花親方を支持する山響親方(元前頭・巌雄)に回ったとされています」(担当記者)

 今回、この「小野川」株を巡っては別の動きもあった。初場所初日の前日である1月13日、山響部屋の北太樹(幕下3)が現役引退し、年寄「小野川」を襲名したと発表された。元前頭・大道から元北太樹へと年寄株が移ったのである(元大道は別の年寄株「音羽山」を襲名)。

関連キーワード

関連記事

トピックス

逮捕された波多野佑哉容疑者(共同通信)。現場になったラブホテル
《名古屋・美人局殺人》「事件現場の“女子大エリア”は治安が悪い」金髪ロングヘアの容疑者女性(19)が被害男性(32)に密着し…事件30分前に見せていた“親密そうな様子”
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
マッチングアプリぼったくり。押収されたトランプやメニュー表など。2025年5月15日、東京都渋谷区(時事通信フォト)
《あまりに悪質》障害者向けマッチングアプリを悪用した組織的ぼったくりの手口、女性がターゲットをお店に誘い出し…高齢者を狙い撃ちする風俗業者も
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下の「慰霊の旅」に同行された愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、皇室とご自身の将来との間で板挟み「皇室と距離ができればこうした仕打ちがある」という前例になった眞子さんの結婚 将来の選択肢を“せばめようとする外圧”も 
女性セブン
“じゃないほう”だった男の挑戦はまだまだ続く
「いつか紅白で『白い雲のように』を歌いたい」元猿岩石・森脇和成が語る有吉弘行との「最近の関係性」
NEWSポストセブン
「ピットブル」による咬傷事故が相次いでいる(左・米軍住宅参考画像)
《沖縄で相次ぐピットブル事件》「チェーンを噛みちぎって引きずった痕も…」自治体が狂犬病の予防接種すら把握できない“特殊事情”「米軍関係者の飼い犬だった」 
NEWSポストセブン
白鵬の活動を支えるスポンサー企業は多いと思われたが…
白鵬「世界相撲グランドスラム」構想でトヨタ以外の巨大スポンサー離反の危機か? “白鵬杯”スポンサー筆頭格SANKYOは「会見報道を見て知った。寝耳に水です」
週刊ポスト
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルの飛行機でスヤスヤ》佳子さまの“寝顔動画”が拡散…「エコノミークラス」に乗った切実な事情
NEWSポストセブン
6月13日、航空会社『エア・インディア』の旅客機が墜落し乗客1名を除いた241名が死亡した(時事通信フォト/Xより)
《エア・インディア墜落事故》「ボタンが反応しない」「エアコンが起動しない」…“機内映像”で捉えられていた“異変”【乗客1名除く241名死亡】
NEWSポストセブン
ロスで暴動が広がっている(FreedomNews.TvのYouTubeより)
《大谷翔平の壁画前でデモ隊が暴徒化》 “危険すぎる通院”で危ぶまれる「真美子さんと娘の健康」、父の日を前に夫婦が迎えた「LAでの受難」
NEWSポストセブン
来来亭・浜松幸店の店主が異物混入の詳細を明かした(右は来来亭公式Xより)
《“ウジ虫混入ラーメン”が物議の来来亭》店主が明かした“当日の対応”「店舗内の目視では、虫は確認できなかった」「すぐにラーメンと餃子を作り直して」
NEWSポストセブン
金スマ放送終了に伴いひとり農業生活も引退へ(常陸大宮市のX、TBS公式サイトより)
《金スマ『ひとり農業』ロケ地が耕作放棄地に…》名物ディレクター・ヘルムート氏が畑の所有者に「農地はお返しします」
NEWSポストセブン