巨人の選手たちの自主トレ風景、坂本勇人(29)や菅野智之(28)ら20代の生え抜き勢が存在感を見せる一方で、同じく生え抜きかつ過去には自主トレにおける“最大派閥”を率いていた阿部慎之助(38)はグアムで「ひとりぼっち」の自主トレを行なっている。
「かつて坂本や長野久義(33)、(日ハムに移籍した)大田泰示(27)らを引き連れて内海(哲也・35)組と合流するなど、オフでも存在感を見せていた頃の面影はない。阿部が完全に一人の自主トレをするなんて、これまで見たことがない」(同前)
その背景には、“小林誠司(28)たち後輩を育てている余裕などない”という事情がありそうだ。ある巨人OBがいう。
「中日から加入した本塁打王・ゲレーロ(31)は、4番・レフトでの起用が濃厚。高橋由伸監督は、スタメン確約を明言している坂本、ゲレーロ、マギー(35)でクリーンアップを組むとみられている。坂本はショートで固定だが、今年からはセカンドに2016年ドラ1の吉川尚輝(22)、サードには2014年ドラ1の岡本和真(21)を起用したい。するとマギーはファーストに回り、阿部はベンチに座るしかない。
高橋監督も、阿部には広島の新井貴浩(40)のような代打の切り札や、不定期的に4番を打つことを期待しているようだ。阿部としてはキャンプイン前から背水の陣の気持ちになって当然です」
起用する高橋監督も3年契約ラストイヤー。結果を求められるシーズンとなるだけに、ベテランの起用にはシビアにならざるを得ないだろう。前出・巨人OBが続ける。
「仮に優勝を逃したとしても、サード岡本、セカンド吉川を開花させてチームを若返らせることができれば、高橋監督の長期政権も見えてくる。そうなるとますます、阿部は限られたチャンスで結果を残すしかなくなる。レギュラー争いが過熱している以上、スロー調整は許されないと考えている」
※週刊ポスト2018年1月26日号