2019年4月30日に予定される天皇陛下の退位に向け、新元号制定への準備が進められている。新元号に関する法的基準はないが、1979年大平内閣時代に出された閣議報告の「元号選定手続き」には以下のように書かれている。
1.国民の理想としてふさわしいような意味を持つもの
2.漢字2文字であること
3.書きやすいこと
4.読みやすいこと
5.これまでに元号又は諡として用いられていないこと
6.俗用されていないこと
『「元号」と戦後日本』(青土社刊)の著者で、事業構想大学院大学准教授の鈴木洋仁氏が解説する。
「これらは法律ではなく、閣議報告なので、ガイドラインのようなものです。例えば“書きやすい”“読みやすい”というのは非常に曖昧な表現です。
また平成の『平』は、以前に『平治』(1159~1160年)という元号で使われていました。この時代には平治の乱が起き、『平』という字は縁起が悪いという意見がありましたが、実際には採用されています。元号制定の目安にはこうした例外もあるため、発表まではどんな漢字が選ばれるかはわかりません」
その他にも明治、大正、昭和、平成のそれぞれのイニシャルとなるM、T、S、Hが頭文字となる元号は使わない、中国の古典の中から採用する、などというルールも暗黙の了解としてあるという。
また政府はこの1月3日、新元号には1文字15画を上限としたなじみやすい漢字を用いるという方針を発表している。
※女性セブン2018年2月1日号