「出会い系」が花盛りなのは日本も中国も同じだ。あきらめの早い若者が多い日本に対して、中国ではなりふり構わないほどエネルギッシュな人が少なくないという。現地の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏が指摘する。
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いまや三割の男性が経済的な理由から結婚ができないと指摘される日本社会だが、それでも中国の事情に比べれば「まだまだまし」ということか。
現在、ある統計によれば、中国全土には約2億人の独身者(結婚相手をさがしている)が暮らしているとされる。当然、彼らにはそれなりの結婚願望や異性との出会いへの欲求はあるはずである。
ならば、彼らに「出会い」を提供するための産業も、国内ではそれなりに隆盛であろうということだ。そんな悩める若者の事情を特集して記事を掲載したのが『参考消息(北京)』(2017年12月7日 )である。
記事によれば、2015年の時点でこの産業の市場規模は、27億元(約459億円)にもなっていたというのだ。中国の若者たちの「出会い」不足の深刻さを反映している数字ともいえよう。
さて、記事では中国で約会産業(デート産業)と呼ばれるいくつかの会社に登録した若者たちの実例を紹介しているのだが、その中の一人の女性(29歳)によれば、先に登録料として1万2000元(約20万4000円)を支払い、約半年間の恋愛講座というのに参加するという。この講座はすべてネットを通じて行い、この間に何回かデートクラブというものに参加するという。このクラブへの参加費は一回1600元(約2万7200円)だったという。
女性がこれほど真剣に、また大きな出費をしているというのも驚きだが、取材を受けた女性は、自分は「出費が少ない方」だと答えている。
それでタイトルにあるような話になるのだが、そのタイトルというのが、〈中国に独身者は2億人 なかには20万元(約340万円)支払ってお見合いのサービスを受ける者まで出現〉である。
ここからも苦労は伝わってくるが、これはまだしも20万元が用意できる人の悩みといわざるを得ない。