この冬、7年ぶりの大雪に見舞われた福井県。各地で交通網がマヒ、休校する学校が相次ぐなど市民生活に大きな打撃をもたらした。県北端に位置するあわら市は風光明媚な温泉郷として知られるが、市内のとある温泉宿の女将がため息交じりに語る。
「例年なら1月はお客さんが押し寄せて予約困難になるんですけど、今年は大雪のおかげでさっぱり。その上、何がつらいって、ぽつぽつ来てくれるお客さんがみな、“あの人”の話ばっかり聞いてくることです。地元の恥ですよ」
女将の言うあの人とは、同市の前市長・橋本達也氏(63才)のことだ。
昨年12月に辞職した橋本氏。理由は公務中のセクハラだった。市長在職中の2013年から複数回、市内在住の既婚女性にキスを迫ったり抱きついたり、足をなめるなどの行為に及んだ。現場の多くは、あろうことか市長の執務室だった。
本誌・女性セブン記者は、市内にある自宅を直撃したが、あいにくの留守。近隣住民によると「騒動後はあまり帰っていない。親戚の家に雲隠れしているのだろう」とのこと。別の住民が声をひそめる。
「橋本さんは優しくてね、女好きなの。だからああいうことしそうだなって言ってる人は多いね」
地元ではこうした声が複数聞かれた。橋本氏だけではない。昨今、全国各地で「ざんねんな市長」が大量発生している。
◆4回の辞職勧告も意に介さず
「かっとして暴言を吐いた。お詫びしたい」。こう謝罪したのは兵庫県西宮市の今村岳司市長(45才)だ。ダンディーなあご髭がトレードマークの今村市長は1月4日の仕事始めの式で、質問のために駆け寄った読売新聞の記者に『殺すぞ』『寄るな』『しゃべるな』などの暴言を吐いた。
直前に行われた幹部職員への年頭挨拶の中で、今村市長は4月22日投開票の次期市長選に出馬しない意向を電撃発表。読売の記者は真意を聞くために駆け寄っただけだった。
「番記者による夜討ち朝駆けの取材にそうとうカッカしていたらしいけど“(上司に)落とし前つけさすからな”とまで言いましたからね。ヤクザみたいだって怖がる女性職員もいます」(市関係者)
そもそも同市長には以前から騒動の兆候があった。
「やんちゃに振る舞うのがかっこいいと思っているんです。昔から前大阪市長の橋下徹さんのファンで、市議時代は茶髪にピアスがトレードマーク。橋下スタイルですよね。高校時代の喫煙経験を武勇伝的に披露したり、マスコミ批判を繰り返したり。周りは辟易ですよ。橋下さんほど人望があればいいけど、今村さんの場合はパフォーマンス止まり。本当に残念な人です」(同前)