韓国・文在寅政権の迷走が平昌五輪まで歪め始めた。日本に慰安婦日韓合意を覆す新たな要求を突き付けたかと思えば、北朝鮮への制裁を科す近隣諸国の足並みを乱すかのように、対北朝鮮協議では差し出された餌になりふり構わず飛びついている。女子アイスホッケーでは韓国と北朝鮮の合同チーム結成が発表された。2月9日の開幕を前に、この五輪は、一体どこに向かっているのか。
平昌五輪そのものを巡る問題は山積みのままだ。チケットの販売不振を払拭しようと、李洛淵首相の呼びかけで自治体が入場券を大量購入する動きがあった。こうした対策で販売率は6割を超えたが、問題の解決にはなっていない。
「韓国は予約したのに無断でキャンセルする“ノーショー”を厭わない人が多く、社会問題化している。極寒のなかでの観戦ですから、蓋を開けたらガラガラかも」(在韓ジャーナリスト)
相場の10倍にまで跳ね上がった宿泊施設の“便乗値上げ”騒動も「当局が値段を下げさせましたが、消防法に基づく査察をチラつかせて迫ったとされています。つまりは消防設備が整っていないということの裏返し」(ジャーナリストの室谷克実氏)だという。
元朝日新聞ソウル特派員でジャーナリストの前川惠司氏は、日本選手団が直面するであろう問題も危惧する。
「1988年のソウル五輪の開会式では、12年ぶりに東西陣営が顔を揃えたこともありソ連や中国の選手を大歓声で迎えたのに、日本選手団が入場するとスタンドは静まり返った。競技で日本選手が登場するとブーイングが起きた。日本に対しては常に特別な反感がある」
“反日”に“親北”が重なる五輪──そんな独り善がりの“夢舞台”に世界が付き合わされる。
※週刊ポスト2018年2月2日号