商売繁盛の神様“えべっさん”の総本社として知られる兵庫県・西宮神社。1月10日午前6時、表大門が開かれると、外で待っていた参拝者が230m離れた本殿へ続く石畳の参道を駆け抜ける。この『走り参り』こそが、毎年恒例の『開門神事福男選び』だ。さて今年、いちばんの“福男”は誰だ──。
今年の一番福は、尼崎市立尼崎高校3年の佐藤玄主(くろす)くん(18才)。ぶっちぎりの独走状態で、2位に大差をつけて見事一番福を手に入れた。
福男はその年の福を集め、周囲に福を分け与えるといわれる。ならば、女性セブンの“名物還暦記者”オバ記者も佐藤くんに会って福をおすそ分けしてもらいたい! 厚かましい思いを秘めて、オバはさっそく兵庫へと向かった。聞き込みを続けると、その日、佐藤くんが芦屋市長と会談するという噂を聞きつけた。芦屋市役所で待ち伏せすること2時間、ついに幸せオーラに満ちた黄色の法被を着た青年を発見! 「逃さないわよ~!」と、さっそく捕獲するオバ。
「わははは! すごい勢いのかたですね! 今年の福男、佐藤と申します」
なんと礼儀正しい! 陸上部のキャプテンをやっているだけあって、年配の女性にも物怖じせずはきはき応対するスポーツマン精神が好印象。聞けば、漁師である祖父の大漁祈願の付き添いで、何度も西宮神社を訪れていたため、走り参りのコースは目をつぶっても走れるくらい勝手知ったる道なのだそう。
「まず走る権利を得ないと始まらないんですよ。6000人の中から1500人しか当たらない。中2、中3、高1、高2と4年間、これまでずっとくじ引きの時点で外れて、走ることもできなかったんです(苦笑)。でも、5回目の今年は『一番福を取る』ってイメトレしながらくじを引いたら、当たった。それだけでも運がよかったのに、スタートの位置を選べるくじ引きでも2列目の真ん中を陣取れた。これが大きかったと思います」(佐藤くん)
福男に輝いてからは、LINEが鳴り止まず、ツイッターのフォロワー数も何倍にも増えたのだとか。
「人生、変わりました! 福男の法被を着てるだけで握手してくださいって言われますし、全然交流がなかった人からSNSで『幼稚園で同級生でした』なんてメッセージが届くんです。こんな体験、一生に一度というか、生まれ変わってもないと思います。そういえば、福男になっておみくじを3回引いたら、3回連続大吉でした(笑い)。せっかく福男になったので、喜ばれるのならどこにでも行こうと思っているんです!」
※女性セブン2018年2月8日号