事情によりペットを飼えなくなってしまった飼い主と里親希望の人を結ぶサービスが『ペットのおうち』だ。現在、国内最大の里親募集サイトで、会員登録数は約50万人、犬、猫をはじめ、小動物、魚、鳥、爬虫類まで里親募集掲載数は約16万件、里親決定件数約10万件、ペットプロフや各地の譲渡会情報なども掲載されている。運営するのはウェブ制作会社だ。代表の内海友貴さんが愛犬の里親になったことがきっかけだったという。
「2011年のスタートから少しずつ里親文化が広まっているように思います」
犬好きのクリエーター・内海さんは、悲観的な要素ばかりが取り上げられがちな高齢者とペットの問題を、おおらかにとらえる。
「やむをえず飼育が困難な状況になることは、高齢者に限らず誰にでも起こりえる事態です。不適切な環境下で飼育を続けるよりも、里親を探すことがペットにとっては最良の選択となる場合もあると考えています。軽率な飼育開始によって起こった飼育放棄でなければ、ご自身を責めすぎないでいただきたいと思います。
『ペットのおうち』を利用していただくときは、まずトラブル防止のため、譲渡の際に身分証明と誓約書を交わすなどのルールを厳格に守る必要があります。
また全国各地に多数の利用者がいますが、飼育環境や価値観は実にさまざまです。外飼い、室内飼い、厳しくしつける人、甘やかす人、動物らしさを尊重する人、わが子のように飼う人など。中にはごくごく軽い気持ちで、飼育する責任まで思い及んでいない里親希望者もいるかもしれません。
ですから里親を探す人も里親になりたい人も、納得のいくまで充分に話し合い、価値観の合う相手を慎重に選んでいただきたいと思います」
※女性セブン2018年2月8日号