球界の発展に大きく貢献した選手や指導者を顕彰するために1959年に創設された野球殿堂には、競技者表彰と特別表彰がある。競技者表彰には現在、プレイヤー部門とは別に2008年に創設されたエキスパート部門があり、その選考はより基準が曖昧だ。
「監督やコーチとしての実績を含めた顕彰に見えますが、実態はプレイヤー部門でもらえなかった人に指導者経験という下駄を履かせた“敗者復活戦”です。プレイヤー部門から選ばれたOBからすると“格下”でしょう。今年、エキスパート部門で選ばれた原辰徳さんにしても、選手としては打点王を1度獲得しただけだから、殿堂入りするほどではない」(ベテラン記者)
そうした背景もあってか球界OBの受け止め方も様々だ。1月4日に急逝した星野仙一氏とともに昨年、エキスパート部門で殿堂入りした平松政次氏(70)は、
「自分には無縁だと考えていたので嬉しかった。もちろん野球人としては名誉だとは思っているけど、殿堂入り後も地元や母校での講演依頼が来たくらいで、何も変わらないよ」
と淡々と話した。