大相撲の初場所千秋楽の5日後にあたる2月2日が、日本相撲協会の今後を左右する「運命の日」となる。八角理事長(元横綱・北勝海)ら現執行部と貴乃花親方グループが、同日の理事選で10の理事枠を奪い合う。親方衆による投票日が目前に迫り、混沌に拍車がかかっている。
「貴乃花親方は、当選しても理事になれない状況を懸念している。たとえ理事選に通っても、“反貴乃花”を鮮明にする池坊保子氏が議長を務める評議員会が理事就任を認めない可能性がある」(若手親方の一人)
1月4日、貴乃花親方に2階級降格処分が下された際に、記者会見で池坊氏が「貴乃花の理事就任拒否」の可能性を否定しなかったこともあって、そうした観測は広がっている。ただ、その場合は理事当選者が9人になってしまう。「欠員」をどう埋めるのか。
初場所9日目に行なわれた理事長懇談会の席上、本誌記者は八角理事長に直接質問をぶつけた。その答えは驚くほどあっさりしていた。質問に少しムッとした表情を見せ、「仮定の話には答えられないよ」と切り捨てたのだ。
仮定ではなく理事選定のルールの話をしているのだと問いを重ねても、八角理事長は、「その時は理事会で決めればいい」とぶっきらぼうに答えるだけだった。前出の若手親方はこう憤る。
「執行部が好きに理事選のルールを決められるというのは、明らかにおかしい。仮に欠員が出た時に親方衆全員による再投票になるなら、執行部派が勝つ公算が高い。それなら貴乃花親方はあえて今回は出馬せず、一門の別の親方を立てて、“貴乃花グループの理事枠”を確保する戦略を選ぶ。それを“ルールは後で決める”という話にされたら、動きようがないでしょう」
※週刊ポスト2018年2月9日号